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●「図書新聞」HPの「連載」ページ掲載「同人誌時評」
●「全作家」HPの「文芸時評」横尾和博筆
投稿者:ひわき 投稿日:2021年12月 3日(金)11時03分8秒
「西日本新聞」11月30日(火)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「逆縁」
冒頭、中原中也が2歳で亡くなった長男・文也をよんだ詩「また来(こ)ん春…」を引用。
城戸祐介さん「自殖録」(「第八期九州文学」577号、福岡市)、水木怜さん「窓を開ければ」(「照葉樹二期」20号、福岡市)
藤代成美さん「一族の終わり 四話」(「照葉樹二期」20号)、由比和子さん「雪しぐれ」、高瀬博文さん「黒い街 白い街」(共に第八期九州文学」577号)
投稿者:ひわき 投稿日:2021年10月 3日(日)10時44分7秒
「西日本新聞」9月30日(木)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「地域を描く」
冒頭、米本浩二さん『魂の邂逅(かいこう) 石牟礼道子と渡辺京二』(新潮社、2020年)に触れる。
都満州美さん「訪問診療」(「海峡派」152号、北九州市)、伊福満代さん「二歩の父」(「龍舌蘭」203号、宮崎市)
白石すみほさん「破倫」(「ふたり」26号、佐賀県唐津市)、鳥海美幸さん「森」(「龍舌蘭」203号)、高崎綏子さん「木語(もくご)」(海峡派」152号)
投稿者:ひわき 投稿日:2021年 8月31日(火)12時51分27秒
「西日本新聞」8月31日(火)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「子どもの言動」
二志幸さん『真夏のエイプリルフール』(花書院)から「テル・ミー・ホワイ」・「真夏のエイプリルフール」
田川喜美子さん「提灯」(「長崎文学」97号、長崎市)
寺井順一さん「風の曲がり角」(「西九州文学」46号、長崎県大村市)、野沢薫子さん「憂きこと多し」(「長崎文学」97号)、戸川如風さん「遠野幻想/老人と夢」(「詩と眞實」866号、熊本市)
投稿者:ひわき 投稿日:2021年 7月30日(金)21時14分49秒
「西日本新聞」7月30日(金)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「生きづらさ」
冒頭「生きづらさ」について『コンビニ人間』(村田沙耶香)、『推し、燃ゆ』(宇佐見りん)、『水たまりで息をする』に触れる。
深水由美子さん『優しいお墓』(「第八期九州文学」576号、福岡市)、階堂徹さん『瓦の落ちた先』(「詩と眞實」865号、熊本市)
佐々木信子さん「初嵐」(「第八期九州文学」576号、福岡市)、遠藤博明さん「稲妻と案山子」(「ら・めえる」82号、長崎市)、川村道行さん「「独」と「離」」(「海」第二期26号、福岡市)
投稿者:にいな 投稿日:2021年 6月27日(日)11時59分48秒
6月27日、長崎新聞「サンデーぶんか」欄は「長崎県の同人誌」として、「ら・めえる」82号、「長崎文学」96号、「西九州文学」46号などが紹介論評されています。「ら・めえる」では長島達明氏のエッセー「ハウステンボスを創ると言うこと」が詳しく取り上げられています。「長崎文学」では野沢薫子氏の小説「ビビ入ったグラス」、「西九州文学」では寺井順一氏の小説「風の曲がり角」が紹介されています。
投稿者:ひわき 投稿日:2021年 6月 5日(土)10時14分33秒
「西日本新聞」5月31日(月)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「苦境の先へ」
冒頭、小山内恵美「しょんなかもち」(「すばる」5月号)に触れる。
片山さとみさん『ひるこ様の海』(長崎文献社)、宮脇永子さん「馬吉」(「南風」49号、福岡市)
野沢薫子さん「ヒビ入ったグラス」(「長崎文学」96号、長崎市)、木下恵美子さん「イエスの足音」(「詩と眞實」864号、熊本市)、田中青さん「駆け引き」(南風」49号、福岡市)
投稿者:ひわき 投稿日:2021年 5月 1日(土)20時22分56秒
「西日本新聞」4月28日(水)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「別の自分」
冒頭、福岡出身の櫻木みわさんの小説「コークスが燃えている」(「すばる」4月号)より井出川泰子さん『火を産んだ母たち 女抗夫からの聞き書き』(1984)を紹介。
黒木日暮らしさん「山菜採り」(「龍舌蘭」202号、宮崎市)、森美樹子さん「今年の夏」(「第八期九州文学」575号、福岡市)
「第八期九州文学」575号の野見山悠紀さん「塔」、「龍舌蘭」202号の渡邉眞美さん「もくもくもくもく」
「九州文学」八期の新編集長だった中村弘行さんの遺作「サヨナラはもう言わない」(50号掲載)
投稿者:ひわき 投稿日:2021年 4月 5日(月)10時40分43秒
「西日本新聞」3月31日(水)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「女性の生き方」
西田宣子さん「白狐」(「季刊午前」59号、福岡市)、水木怜さん「若葉萌え」(「照葉樹二期」19号、福岡市)
白石すみほさん「鎮魂」(「ふたり」25号、佐賀県唐津市)、谷口あい子さん「花の小径」(「あかね」118号、鹿児島市)、戸川如風さん「新地」(「詩と眞實」861号、熊本市)、島夏男さん「別れの時は手をあげて」(「照葉樹二期」19号)
「季刊午前」の特集「このときに ここにいて」
2021年3月 1日 (月)付「文芸同志会通信」http://bungei.cocolog-nifty.com/より転載いたします。
「図書新聞」(2021・2・6)=評者・志村有弘氏
<抜粋」 ■小説では、山名恭子の「百日紅の夏」(「長良文学」第28号)が、昭和二十年七月九日の岐阜空襲の悲劇を綴る。小学六年の留美の親友・妙子が空襲を逃れようとするさなか焼死した。留美は、逃避するとき、布袋が邪魔で石垣をうまく登ることができない。妙子は、その布袋を持ってあげるから、先に行くようにと留美に告げた。留美は袋を妙子に渡し、石垣をよじ登ったが、近くに焼夷弾が落ちた。戦争の悲劇・空しさが読者の心を抉る。留美の家も、妙子の家も焼失した。妙子の家の庭に焼け残っていた白い花の咲く百日紅の木。歳月が流れ、留美は白い花の咲く百日紅の木を庭に植える。妙子・留美ふたりの友情、思いが胸を打つ。悲しい、しかし、秀作だ。
梶原一義の「協力者」(「私人」第102号)がよく構想の練られた作品。昭和四十年代、大学生を語り手としてストーリーを展開。間貸し屋を営む坂口家が警察から住んでいる学生の部屋を調べさせてほしいと頼まれた。過激思想の学生がいないか調査するためだという。間貸し屋の主婦は、躊躇逡巡しながらも、学生の部屋に警察官が入ることを許可した。その結果、下宿人に対する良心の呵責に耐えられず、主婦は手首を切って自殺を計り、自分たちには間借しをさせる資格はないと思い、家を処分して主人の故郷の信州に移り住む。協力したため、善良な家族が苦しみ続ける不幸。当時の社会状況もよく描かれている。
祖父江次郎の「靄の回路」(「季刊作家」第96号)は、認知症に罹りかけの男の姿を描く。男は、子どもの頃は「神童」と崇められ、一流大学を卒業した。それが、三年前に死去した上司から呼ばれているので勤めに行かねばならないと思ったりする。外出したものの自分の家の方角が分からなくなり、パトカーで送り届けられる。近所の人はもとより、妻の名前、財布の置き場所を忘れたりする。もどかしい場面が次々と展開するのだが、このもどかしさを感じさせるのは、作者の適切な描写ゆえ。地方公務員の失墜、認知症の遺伝の不安感も示される。認知症になるかもしれぬ危惧感。現実と幻覚とのはざまに身を置かねばならない不安感をつきつけられる思いがした。推敲に推敲を重ねた、見事な作品。
梅宮創造の「七十の秋」(「飛火」第59号)が会津藩士秋月悌次郎の高潔な人間像、生涯を綴る史論的小説。小泉八雲の登場も作品に厚みを与え、末尾に松平容保と徳川慶喜の人間像が比較される形で記されているのも興味深い。簡潔な文章にも感服。
歴史資料では、「花の室・21」の「視点」の項に「義民地蔵供養並に頌徳碑建立への挨拶」(野村七十郎著・昭和九年)が掲載されている。『岩瀬町史史料集』からの再録であるけれど、寛延三年時の直訴で斬に処された磯部村の清太夫・亀岡村の太郎左衛門・富谷村の左太郎の三義民に関する記録。心に重く残った。
研究雑誌では「吉村昭研究」が第52号を重ねた。作品論・作家論・吉村関連のエッセー等が満載。
秋田稔の「探偵随想」第137号には、小泉八雲・岡本綺堂らの作品を想起させる読物、江戸川乱歩から『乱歩全集』全冊を贈られた思い出、興梠武の絵「編みものする婦人」のモデルについての随想等が掲載されている。昭和文学・文化走馬灯の感。
エッセーでは、園田秋男の「『文藝首都』の頃」(九州文學第574号)が、勝目梓との交流や保高徳蔵・みさ子のもとに出入りしていた頃のことを伝えて貴重。勝目に対する園田の思いが滲み出る追悼文でもある。
ーー「九州文學」の第八期がスタートした。同人諸氏の今後の活躍をお祈りする。「さて、」第8号が丹治久惠、「野田文学」第二次第21号が上野菊江、「文芸静岡」第90号が臼井太衛、「玲瓏」第103号が岩田憲生と岡井隆の追悼号(含訃報)。ご冥福をお祈りしたい。(相模女子大学名誉教授)
《参照:評者◆志村有弘ーー戦争の惨禍を伝える山名恭子の秀作(「長良文学」)――「協力」したことから良心の呵責に苦しむ主婦を描く梶原一義の文学(「私人」)、認知症へ歩んでいく男を綴る祖父江次郎の力作(「季刊作家」)
投稿者:ひわき 投稿日:2021年 2月25日(木)11時47分39秒
「西日本新聞」2月25日(木)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「新たな感染症」
立石富生さん「こころの色」(「火山地帯」201号、鹿児島県鹿屋市)、都満州美さん「コロナ禍と病院通い」(「海峡派」150号、北九州市)
本間弘子さん「アマビエ」(「火の鳥」30号、鹿児島市)、あびる諒さん「赤布」(「詩と眞實」860号、熊本市)、葉田かんなさん「音頭が聞こえる」(「火山地帯201号)
「草茫々通信」14号(八田千恵子さん発行、佐賀市)の特集「「弱者」って誰のこと?-生涯・文学・人間-」より『ハンセン病療養所に生きた女たち』について(杉山武子さん)・沖縄のハンセン病文学について(浦田義和さん)
投稿者:ひわき 投稿日:2021年 1月30日(土)11時28分31秒
「西日本新聞」1月29日(金)朝刊「西日本文学展望」茶園梨加氏筆
題「記憶」
小河原範夫さん「巣ごもり」(「ガランス」28号、福岡市)、城戸祐介さん「火葬まで」(「第八期九州文学」574号、福岡市)
野沢薫子さん「十三夜」(「長崎文学」95号、長崎市)、有森信二さん「あだし野へ」(「海25号、福岡市)、中野和久さん「ネコとアオザイ」(「第八期九州文学」574号)
「海」25号の小特集は詩人・織坂幸治さんについて。氏の評論集『畸言塵考(きげんじんこう)』紹介
投稿者:にいな 投稿日:2021年 1月24日(日)12時50分35秒
「長崎新聞同人誌評」
長崎新聞1月24日「サンデーぶんか」欄には「長崎県の同人誌」の記事が出ています。文芸誌として取り上げられているのは「ら・めえる」「長崎文学」「西九州文学」「浜木綿」。「ら・めえる」81号は、片山みさとの小説「ひるこ様の海(後編)」、新名規明の小説「スペイン風邪~斎藤茂吉の長崎」、久保美洋子の新連載「天成の芸術家・中村三郎の生涯(その1)」など。「長崎文学」95号は野沢薫子の小説「十三夜」など。「西九州文学」は坂田真澄の小説「緊急事態前夜、限界状況」。「浜木綿」は増田常徳の随筆「学びの象徴『大樹アコウ』」など。
その他、詩誌の紹介が5件あります。