じょせつ
九州・山口・沖縄エリアを中心とした近代文学研究者による文学批評誌。


主な活動地域:九州・山口・沖縄エリア。関西・関東の同人もいます。

創刊:1990年1月

同人数:69名(2006年1月現在)

編集:敍説舎

発行所:花書院(城島印刷出版部門)
     〒810-0012 福岡県福岡市中央区白金2-9-2
     TEL・092-526-0287 FAX・092-524-4411

定価:1500〜1800円(税込価格)

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W−02号 2024.08.31発行
特集 文学の前線
畑中佳恵/【特集小言】文学の前線へ
久保田裕子/金子薫「アルタッドに捧ぐ」−メタフィクションを越えて−
佐藤泉/不穏なユートピア−今村夏子「むらさきのスカートの女」
松田樹/ゼロ年代以降の私小説−西村賢太から金原ひとみまで
柳瀬善治/「日本語」文学における「他者性」表象の可能性について−台湾人作家の作品での文学表記を中心にして−
みたけきみこ/反転する憑依−古川日出男『女たち三百人の裏切りの書』を読む−
山田夏樹/小川洋子「博士の愛した数式」の蒐集−野球と記憶−
長野秀樹/一人称と三人称の狭間−「こちらあみ子」論−
茶園梨加/「子育て」の光景−「猛スピードで母は」(二〇〇一)と「この世の喜びよ」(二〇二二)−
光石亜由美/李琴峰「ポラリスが降り注ぐ夜」−カテゴライズされない〈多様な個〉
二沓ようこ/反逆する〈代理母〉考−桐野夏生「燕は戻ってこない」
中の和典/山田岳弘『ニムロッド』と宇佐美りん『推し、燃ゆ』
◆批評
石田忠彦/川端康成試論−『伊豆の踊子』『雪国』−
江藤正顕/呼吸の往還−ヨハネス・ブラームス小品論−


W−01号 2023.10.20発行
特集 遠藤周作と九州
池田静香/【特集小言】遠藤周作と九州
笛木美佳/【研究動向】遠藤周作
松本常彦/遠藤周作「海と毒薬」の問題
池田静香/『火山』論
下野孝文/遠藤周作と長崎
畑中佳恵/『鉄の首枷 小西行長伝』と肥前名護屋城
野坂昭雄『王の挽歌』論
楠田剛士/遠藤周作「無鹿」の風景
◆批評
石田忠彦/文学研究ということ −実証・客観・小説の美など
柴田勝二/〈芸術家論〉としての劇 −『卒塔婆小町』『綾の鼓』と表現者の覚悟
江藤正顕/遙かなる昭和ラテン歌謡 −ガイアのざわめき、テッラのどよめき−
坂本正博/さみどりの問い −本多 寿 戦後詩の新水脈
◆資料・書誌
大原祐治/「玩鬼」の遺したもの −史料紹介・原田種夫『九州の玩具』


V−20号 2022.0831発行 表紙・意匠/石原一慶
特集・「監獄」
 北川透/ダリアと殺虫剤 <我牢獄>について
 毛利一枝/【写真×コラージュ】ヒト地球プリズン
 大嶋仁/言語という監獄
 石田忠彦/家族という監獄−「抱擁家族」と「栂の夢」
 坂口博/冬至堅太郎と火野葦平−「戦争犯罪人」をめぐって
 平原奈央子/rememoryの営み−玄基栄「順伊おばさん」から
 紙谷兎/いつか終末にいたる落下のなかで−監獄的日常と二〇一〇年代以降のサブカルチャー
 二沓ようこ/獄中で鳥を飼うということ−文学の磁場としての福岡刑務所
◆批評
 小谷瑛輔/芥川龍之介の遺稿「人を殺したかしら?」の諸問題
 坂本正博/牛島春子年譜 増補改訂版−付き、牛嶋晴男略年譜・牛島春子年譜作成を通して
 柴田勝二/<生き延びた者>の行方−『朱雀家の滅亡』『十日の菊』と日米関係
 石川功/一九六〇年代の雑誌メディアにおける<釜ヶ崎>
 江藤正顕/夢幻能「オッペンハイマー」覚え書−物理法則&因縁果律−


V−19号 2021.10.15発行 表紙・意匠/石原一慶

特集
・震災
 生住昌大/【特集序言】東日本大震災の〈文学〉
 澤正宏/【巻頭エッセイ】震災、津波、核災害の下で文学について考える
 中野和典/死者への言葉−石井光太『遺体 震災、津波の果てに』論−
 山田夏樹/「震災マンガ」の可能性−「機動性」・「主観」性・「実用性」−
 宮川健郎/「希望」のありか−3.11と子どもの本
 佐藤泉/「犠牲地域」のオリンピック−柳美里『JR上野駅公園口』
 柴田勝二/喪失への抵抗−『脚本集3.11』と震災のドラマ化
 光石亜由美/終わらない「復讐」−廣木隆一『彼女の人生は間違いじゃない』
 中原豊/ゼロ時間から−震災後五年の特集を読む
 前田知津子/境界の言葉としての歌
 畑中佳恵/震災後文学論のその後へ
 松本常彦/火と血のリレー−小林エリカ「トリニティ、トリニティ、トリニティ」の盾の紋様−
 茶園梨加/震災と犬−馳星周『少年と犬』
◆小特集
 坂口博/「青春の岐路」ノート−火野葦平の一九三〇年前後
 稲田大貴/火野葦平展のつくり方
◆批評
 石井和夫/「第一夜」前後−「名を喚ばれて、名に随て?るが如し」(『大応仮名説法』)との遭遇−
 石川巧/グロテスクの見せ方−江戸川乱歩「悪夢」(「芋虫」初出版)の伏字
 浅子逸男/「三十歳」における虚構について
 柴田勝二/多重化する「お芝居」−『鹿鳴館』における演技と真実
 久保田裕子/三島由紀夫の文学と保守政治−『オンライン版楠田實資料(佐藤栄作官邸文書)』の記録−
 坂本正博/リルケからの回生−前原正治〈世界苦と子供〉のイメージ
 楠田剛士/震災小説としての『私の男』
 江藤正顕/葛飾北斎と妙見菩薩−台湾道教における「玄天上帝」を手掛りとして


V−18号 2020.11.25発行 表紙・意匠/石原一慶

特集
・「動物」 畑中佳恵/愛犬の手触りと想像の共同体−小川洋子「愛犬ベネディクト」を読む
 久保田裕子/生きものの記憶−大庭みな子「トーテムの海辺」の軌跡
●十二支の日本近代文学
(二沓ようこ)/(池田静香)/(渡邊英理)/(村上陽子)/(六國眞希)/(坂口博)/(小川竜紀)/(楠田剛士)/(山田夏樹)/(光石亜由美)/(茶園梨加)/(松本常彦)
◆批評
 江藤正顕/プルースト『失われた時を求めて』が語る記憶と認知−(水中花)のモルフォロジー−
 柴田勝二/失われ、連続するもの−「少将滋幹の母』『夢の浮橋』における(母)の表象
 久保田裕子/「文化防衛論」の中のアジア−「佐藤榮作日記」と「楠田實日記」から−
 石川巧/映画「山谷(やま) やられたらやりかえせ」の脚色・制作・上演運動
 坂本正博/金井直の花の詩2
 二沓ようこ/夏樹静子の書斎


V−17号 2020.01.06発行 表紙・意匠/石原一慶
特集・「師弟」
 中野和典/空所の意味U −中島敦「名人伝」と「山月記」
 石川巧/師/弟小説としての「微笑」 −栖方の微笑はなぜ「美しい」のか−
 瀬口真司/「無根」の華 −内田百閨uアヂンコート」論
 楠田剛士/桐野夏生『だから荒野に』における師弟のわけ
 岩下祥子/尾形亀之助の師は誰か −高村光太郎という肯定者−
 坂口博編/「隊商」総目次 付・編集後記集
◆小特集 日本浪曼派の戦後と西日本発のリトルマガジン
 梶尾文武/日本浪曼派の戦後と西日本発のリトルマガジン
 西尾宣明/「光耀」ときなにか −島尾敏雄・庄野潤三と戦後の同人雑誌、そして「VIKING」「タクラマカン」のことなど−
 長野秀樹/「日本浪曼派」から「午前」への接続と断絶
 近藤洋太/「ポリタイア」と戦後のロマン派
◆批評
 石井和夫/「オ゛ラプチュアス」の眼と「ペネロペの仕事」
 江藤正顕/スピノザ試論 −『エチカ』の海でサーフィンを−
 坂本正博/金井直の花の詩1
 二沓ようこ/幻の探偵作家、大貫進の時代(六) −「レジスタンス」としての探偵小説−深尾登美子


V−16号 2019.07.25発行 表紙・意匠/石原一慶
特集・「河童の棲む文学誌」
 東雅夫/河童のいる文学史・序説
 乾英治郎/近代〈河童小説〉の系譜−芥川龍之介「河童」から飴村行『粘膜人間』まで
 小澤純/詩人〈国木田六歩〉が安置される場−芥川龍之介「河童」小考
 安藤公美/芥川龍之介「河童」にみる〈飛び地(エンクレーヴ)〉としてのユートピア−佐藤春夫「のんしゃらん記録」と合わせて
 大國眞希/火野葦平「羅生門」試論
 坂口博/「青狐」から「河童」へ
 野本聡/河童と放射能−遠地輝武『沼の聖族』−
 稲田大貴/「嘘体」と「河童」−宗左近におれる「河童」の誕生
 北村紗希/〔イラスト〕
批評
 二沓ようこ/幻の探偵作家、大貫進の時代(五) 女性と探偵小説の「密接な関係」について−四季桂子
 坂本正博/金井直の?の詩
 江藤正顕/「バガヴァット・ギーター」にみる〈行為〉の極限−サーンキヤ・ヨーガをめぐる問答−


V−15号 2018.10.10発行 表紙・意匠/石原一慶

特集・夏樹静子
 二沓ようこ/夏樹静子の〈母と子〉の物語を読む−『蒸発』におけるウーマンリブと母性について
 長野秀樹/「女優X 伊沢蘭奢の生涯」論
 二沓ようこ/幻の探偵作家、大貫進の時代4−夏樹静子作品における団地の風景
 二沓ようこ/第7回文学館だより
●夏樹静子作品辞典(102)
T長編
天使が消えていく/蒸発−ある愛の終わり/喪失−ある殺意のゆくえ/黒白の旅路/目撃−あね愛のはじまり/霧氷/光る崖/遠い約束/第三の女/遙かな坂/風の扉/遠ざかる影/家路の果て/Wの悲劇/砦の墓碑銘/紅い陽炎/国境の女/訃報は午後二時に届く/最後に愛を見たのは/Mの悲劇/わが郷愁のマリアンヌ/ドーム−終末への序曲/孤独のフェアウェイ/死の谷から来た女/雲から贈る死/そして誰かいなくなった/東京駅で消えた/Cの悲劇/秘めた絆/ダイアモンドヘッドの虹/霧の向こう側/白愁のとき/女優X−伊沢蘭奢の生涯/人を呑むホテル/デュアル・ライフ−二重生活/クロイツェル・ソナタ/βの悲劇/茉莉子/量刑/見えない貌/てのひらのメモ
U中短篇集
見知らぬわが子/ガラスの絆/砂の殺意/誤認逮捕/死刑台のロープウェイ/二人の夫をもつ女/アリバイの彼方に/ベッドの中の他人/影の鎖/77便に何が起きたか/重婚/蒼ざめた告発/閏閥/あしたの貌/密室航路/夜の演出/暗い循環/雪の離別/ビッグアップルは眠らない/ひとすじの闇に/殺意/女の銃/秘められた心中/旅人たちの迷路/その子は目撃者/懇切な遺書/駅に立つ佇つ人/湖・毒・夢/ペルソナ・ノン・グラータ/夏樹静子サスペンス劇場−テレビドラマ化推理小説集/独りの旅の記憶/死なれては困る/夏樹静子のゴールデン12/一瞬の魔/乗り遅れた女/花を捨てる女/最後の藁/幻の男/モラルの罠/四文字の殺意/孤独な放火魔/いえない時間/
Vシリーズ作品
星の証言 女性弁護士 朝吹里矢子/花の証言 朝吹里矢子2/霧の証言 弁護士 朝吹里矢子/贈る証言 弁護士・朝吹里矢子/女検事 霞夕子 螺旋階段をおりる男/検事 霞夕子 夜更けの祝電/検事 霞夕子 風極の岬
Wエッセイ・ノンフィクション
アリバイのない女/ニッポン青春グラフティ/妻たちの反乱−夫は、この現実を知らない/妻たちの変身/椅子がこわい−私の腰痛放浪記/時が証す/妻たちの欲望/往ったり来たり/心療内科を訪ねて−心が痛み、心が治す/裁判百年史ものがたり
X翻訳
アガサ 愛の失踪事件/わが子が消えた

 坂口博/夏樹静子〈本〉放浪記
 二沓ようこ・坂口博 編/夏樹静子作品一覧

批評
 金成妍/久留島武彦が持ち帰った最古のモンテッソーリ教具−久留島武彦を通して見る日本の口演童話史C
 江藤正顕/渦巻<天体−ヴィンセント・ヴァン・ゴッホと古代ギリシャ哲学
 坂本正博/前原正治−詩作の歩み

戯曲
 柴田勝二/などの波風の−東久邇稔彦と戦争


V−14号 2017.04.25発行 表紙・意匠/石原一慶
特集・「批評」
 坂口博/批評とは何か−松原新一の「苦海浄土」論をめぐって
 村上陽子/「記憶」に向き合う読み−仲程昌徳『沖縄の戦記』と『「ひめゆり」たちの声−『手記』と「日記」を読み解く』をめぐって
 楠田剛士/長崎のサークルを批評する−長崎ロマン・ロランの会を例として
◆批評
 柴田勝二/身体としての果物−『檸檬』におけるヴェネツィア派絵画と地中海貿易
 金(キム)成■(ソンヨン)/彝(つね)と悌二郎の暑い夏
 二沓ようこ/幻の探偵作家、大貫進の時代−三、ヒロインたちの〈犯行行動〉
◆批評
 楠田剛士・坂口博編/「叡智」(第一次)総目次


V−13号 2016.03.20発行 表紙・意匠/石原一慶

特集
・「羅生門」百年 海老井英次/「羅生門」百年・雑感
 大石富美・松本常彦(編)/芥川龍之介「羅生門」受容史年表(1915〜2015)
 栗原好郎/羅生門は藪の中
 安河内敬太/旧記の引用、「作者」の書記、そして直喩−「羅生門」における語り手の顕在化について
 生住昌大/芥川龍之介「羅生門」の底力−「定番教材」を教える教室から
 小谷瑛輔/「新技巧派」は「迷惑な貼札」か−芥川龍之介「饒舌」を視座として
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(20)
◆批評
 石川巧/性愛のコノテーション−川端康成「雪国」論
 江藤正顕/粘土板から頭脳空間へ−中島敦「文学禍」に触れて
 坂本正博/金子光晴「寂しさの歌」の問いを、自らに課した戦後詩人たち
 柴田勝二/反転する仮面−『仮面の告白』の同性愛と異性愛
 二沓ようこ/幻の探偵作家、大貫進の時代−二、マイホームへの夢
 渡邊英理/僕が大人になるための秘密−中上健次『一番はじめの出来事』


VV−12号 2015.02.25発行 表紙・意匠/石原一慶

特集・児童文学と「声」
 宮川健郎/「声」の時代、「声」のわかれ −特集のはじめに
 中川理恵子/読む物語と聞く物語 −巖谷小波の場合
 金成■/日本口演童話に対する一考察
 上出恵子/壺井栄児童文学の語り(、、)
 楠田剛士/『原爆児童文学集』の語り
 吉田恵理/〈のっぺらぼう〉の「子ども」−谷川俊太郎《ことばあそびうた》、ポエトリー・リーディング、《わらべうた》
 木村功/黙読のアルケオロジー −初等教育国語科教科書と児童文学−
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(19)
◆批評
 江藤正顕/森鴎外「舞姫」瞻望  −世紀末の魔的胎動-
 高橋啓太/「文学」的主体の陥穽 −『近代文学』派の「文学」と「肉体」
 石川巧/群衆とは何者か? −歴史小説における〈一揆〉の表象
 坂本正博/白昼、ランプに灯をともして −頼圭二カと金子光晴「寂しさの歌」
 二沓ようこ/幻の探偵作家、大貫進の時代 −一、大貫進〈藤井礼子〉の生涯とその作品
 金成■/ボーイスカウトと久留島武彦 −久留島武彦を通して見る日本の口演童話史B−


V−11号 2014.04.25発行 表紙・意匠/石原一慶
特集・近代小説と黒田藩
 原卓史/「〈黒田官兵衛〉小説の系譜」
 石川巧/黒田如水の淪落 −坂口安吾『二流の人』論−
 坂口博/「黒田」の文学的系譜
 松本常彦/福岡藩贋札事件言説と松本清張「贋札つくり」
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(18)
◆批評
 田所光男/無罪判決を受けた『コンゴのタンタン』 −許容のメカニズムの批判的考察
 江藤正顕/「大東亞戦争」下の西田幾太郎 −その〈表現〉概念の展開−
 金成■/野村徳七と久留島武彦 −久留島武彦を通して見る日本の口演童話史A−


V−10号 2013.09.30発行 表紙・意匠/石原一慶

特集・戦後文化運動とサークル誌
 水溜真由美/労働者の共同性とサークル運動 熊沢誠の「労働社会」を手がかりに
 浅野麗/石牟礼道子『苦海浄土 わが水俣病』への道 「水俣湾漁民のルポルタージュ奇病」から「海と空のあいだに 坂上ゆきのきき書より」への改稿をめぐる検証と考察
 坂口博/八幡は筑豊をいかに描いたか
 茶園梨加/文学サークル誌の展開と、その表現 「山田文学」の場合
 渡邊英理/戦争と「空き地」 刈干あがた「予習時間」
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(17)
◆批評
 江藤正顕/ベートーヴェンにおける「献呈」の意味 回帰するボン時代
 
坂本正博/村上昭夫と仏教
 
金成妍/巌谷小波と久留島武彦 久留島武彦を通して見る日本の口演童話史@
 
柴田勝二/「非人情」という情念 漱石初期における俗と脱俗
◆批評・書誌
 石川巧/雑誌「小説春秋」はなぜ歴史に埋没したのか? 附・総目次


V−09号 2013.03.15発行 表紙・意匠/石原一慶

特集・変容する欲望−高度経済成長期を読む
 鳥羽耕史/商品としての/商品についての小説
 宮川健郎/高度経済成長期の児童文学・覚書
 佐藤泉/「苦海浄土」のさまざまな「栄耀栄華」
 倉田容子/「母系一族」の〈秘密〉
 志村三代子/高度経済成長期の〈無責任〉「ニッポン無責任時代」と「ニッポン無責任野郎」をめぐって
 瀧田浩/六〇年代詩と七〇年前後のポップスの状況
 川勝麻里/ディスカバー・ジャパン・キャンペーンとふるさと喪失
 渡邊正彦/マナスルの向こうへ
 生方智子/「孤児物語」のファンタジー
 山田夏樹/〈大きな物語〉と人工的身体
 中野和典/自由と反復
 石川巧/事件現場としての〈団地〉
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(16)
◎批評
 柴田勝二/見出される「東洋」
 池田静香/原子力への問いかけ
 田代ゆき/「歴史の偽造」に抗して


V−08号 2012.06.30発行 表紙・意匠/石原一慶

特集・井上光晴
 坂口博/井上光晴の出版活動
 長野秀樹/「全身小説家」井上光晴の詩
 中の和典/いまひとたびの辺境考 井上光晴の評論・エッセイ
 楠田士/方法としての噂話 井上光晴の原爆小説
 坂本次郎/鬼と風呂
 首藤卓茂/井上光晴の福岡 斎藤節子さんに聞く
 茶園梨加/「辺境」(第一次〜第三次)・「兄弟」総目次と解題

●井上光晴小説時点(60)
書かれざる一章/トロッコと海鳥/ガダルカナル戦詩集/虚構のクレーン/死者の時/飢える故郷/地の群れ/荒廃の夏/眼の皮膚/九月の土曜日/乾草の車/清潔な河口の朝/階級/他国の死/黒い森林/残虐な抱擁/気温一〇度/鬼池心中/象を撃つ/辺境/小屋/あの子たちの眠った日/動物墓地/心優しき叛逆者たち/胸の木槌にしたがえ/黒と褐色と灰褐色/黒縄/丸山蘭水楼の遊女たち/未成年/ファシストたちの雪/蜘蛛たち(戯曲集)/似た女 想う男/憑かれた人/ゲッマシンと33の短編/新宿・アナーキー/明日−一九四五年八月八日・長崎/結婚/パンの家/プロレタリアートの旋律/白鬼/黄色い河口−22の小さな物語/ゲッセマネの夜/だれかの関係−40の短篇集/憂愁/大胆な生活/褐色のペスト/西海原子力発電所/神様入門/サラダキャンプ、北へ/地下水道/虫/暗い人/輸送/流浪/紙咲道生少年の記録/病む猫ムシ/自由をわれらに/ぐみの木にぐみの花咲く/全身小説家(映画/番外編)

松本常彦/第6回文学館だより
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(15)
◎批評
 江藤正顕/「小倉百人一首」編集考(改訂版) 藤原定家から後鳥羽イ院への和歌通信
 坂本正博/現代詩人論
 池田静香/弔いの文学として読む遠藤周作 切支丹時代を描いた作品を中心に


V−07号 2011.09.30発行 表紙・意匠/石原一慶
特集〈精神病院〉の文学
 石川巧/特集の趣旨
 溝渕園子/消された〈時〉−チェーホフ『六号室』の二つの日本語訳をめぐって
 光石亜由美/大正期の〈精神病院〉文学
 川勝麻里/映画「狂った一頁」における代作と「最後の人」 −川端康成の未発見シナリオ「狂へる聖」との断絶について
 吉田恵理/〈神経衰弱家〉と詩の言葉の生成過程 −中原中也「千葉寺雑記」仲の詩篇を読む
 木村功/精神病院の光景 −安岡章太郎「海辺の光景」論
 坂口博/季刊「暮らしのせいしんえいせい」のこと
 山田夏樹/「歴史」の解体と「精神医学史」 −北杜夫「楡家の人びと」における〈平板〉さの性質
 高野吾朗/”原爆映画”が喚起するもうひとつの謎 −安部公房の『他人の顔』仲の「精神病院」について考える
 佐藤泉/生・政治と文学 武田泰淳『富士』
 栗田卓/中井英夫「幻想博物館」論 −「幻想博物館」の構造、あるいは構造化されない「断片」の可能性
 中野和典/狂気の躍動 −安部公房『密会』
 柴田勝二/癒しと死をもたらす空間 −『ノルウェイの森』における「阿美寮」の位相
 土屋忍/神さま嫌い −色川武大『狂人日記』論
 長野秀樹/■木蓬生「閉鎖病棟」論
 大谷慎一郎/精神病院への半歩外れた帰還 −絲山秋子『逃亡くそたわけ』論
 畑中佳恵/変わり者たちへの愛 −松尾スズキ『クワイエットルームにようこそ』を読む
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(14)
◎批評
 江藤正顕/土と伸三 −ショパン/台湾/二二八


V−02号 2008.02.15発行 表紙・意匠/石原一慶
特集・島
 趙敏井/自分に「働きかける」文学 李恢成『証人のいない光景』を中心に
 藤原耕作/太宰治「佐渡」論
 木村功/長島 近代日本のディストピア
 長野秀樹/能古島 「能古島通信」を中心に
 中原澄子/遠望・あまくさ
 高橋啓太/不可視性と戦争 梅崎春生「桜島」
 蘇明仙/紀行文からみた明治日本の「済州島」像
 土屋忍/「バリ島」表象論・序説 旅から出た虚実(ウソまこと)
 山田夏樹/被占領と人工作 村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」における核の反復
 川瀬文也/物語と他者 『死の島』論
●「島」文学事典
樺太/千島列島/城ヶ島/江ノ島/三宅島/八丈島/硫黄島/小笠原諸島/篠島/伊勢志摩/目生諸島/笠岡諸島/巌島/江田島/倉橋島/小豆島/塩飽諸島/伯方島/隠岐諸島/竹島/能古島/志賀島/沖の島/玄海島/唐津松浦八島/壱岐/対馬/生月島/皇后島/崎戸/伊王島/高島/端島/鷹島/姫島/大入島/天草諸島/屋久島/沖永良部島/奄美大島/徳之島/与論島/喜界島と硫黄島/黒島/諏訪瀬島/済州島
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(9)
◎批評
 江藤正顕/弾厚作論 作詞・作曲・編曲の共同制作世界
◎中上健次と村上春樹2
 柴田勝二/〈動物〉を殺す話 『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』と六〇年代
◎書誌
 張充■/『小説公園』総目録(下)
小野芳美/第2回文学館だより 北九州市立松本清張記念館


V−01号 2007.08.09発行 表紙・意匠/石原一慶
特集・北九州
 中西由紀子・赤塚正幸/佐木隆三インタビュー
 増田連/谺よ、ひびけ 久女から虚子を観る
 みたけきみこ/林芙美子と北九州
 坂口博/矢野朗の婚歴
 松本常彦/神崎武雄 主要作品案内
 田代ゆき/「山河の賦」の立つ現在
 中西由紀子/岩下俊作 「富島松五郎伝」と「無法松」のあいだ
 馬場美佳/《美化》をめぐる機関 火野葦平「糞尿譚」から「中都会」へ
 石川巧/哀しき〈父〉と寂しき〈子〉 松本清張「半生の記」論
 坂口博/我孫子毅と蓮門教
 畑中佳恵/そこがどこでも響灘 宗左近とふるさと
 石川和夫/静かな教授 多岐川恭
 川口隆行/見える戦争/見えなくなる戦争 小堺昭三論
 久保田裕子/中国・雲南における結婚と女同士の絆 村田喜代子「雲南の妻」
 内田友子/平野啓一郎の折尾駅 いかにも悪そうなヤツ
北九州文学事典T
 青山真治/赤瀬川源平/秋吉久紀夫/穴井太/阿南哲朗/稲田定雄
 岩田礼/岩森道子/大石千代子/岡田武雄/小倉龍男/柏木恵美子
 加藤道夫/加納朋子/志摩海夫/曽田共助/空大助/竹下しずの女
 多田智満子/田上耕作/土田晶子/遠丸立/中薗英助/橋本多佳子
 長谷川修/畑中純/原田磯夫/平出隆/平野遼/深田俊祐
 藤野千夜/藤原新也/松尾スズキ/みずかみかずよ/森田定治
 柳瀬正夢/山田稔/山福康政/横山白虹/リリー・フランキー
◎シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」
◎批評
 江藤正顕/トラウア・シュピールとしてのテレビドラマ 三谷幸喜「合い言葉は勇気」を中心に
 フランシーヌ・コフマン/アンドレ・シュヴァルツ=バルト どこにも居場所をもたないユダヤ人
 下野孝文・井坂恵津子/長崎県、外海における(門徒)の信仰について 「枯松神社を守る会」松川隆治氏に聞く
 柴田勝二/転移する暴力 「岬」への系譜
◎書誌
 張允■/「小説公園」総目次(上)
中西由紀子/第1回文学館だより 北九州立文学館


U−10号 2006.01.06発行 表紙・意匠/石原一慶(石原デザイン事務所)
特集・中国観
 原武哲/夏目漱石「満韓ところどころ」新注解 旧満洲の今昔写真を添えて
 長野秀樹/檀一雄と「満洲」・再説
 フォト&エッセー−フラットな視想
 重松一穂/「旧満州の消えた視覚」
 阿莉塔/「蒙彊文学」の全貌(二) 文体、内容、性格
 畑中佳恵/長崎・一九三七年・上海 榊山潤から届く手紙
 江藤正顕/江尅f描 台湾語歌謡の現在
 藤原耕作/太宰治文学と中国 「清貧譚」と「黄英」
資料
 鶴島正男/葦平回廊3 従軍手帖(比島三−2)
シネマエッセイ
 栗原好郎/「映画の観客論」(7)
批評
 横手一彦/棚町知彌氏に福岡検閲時代を聞く その二
 清水孝純/左遷をしたたかに生きる *鴎*外の小倉時代  【**内変換できず】
 柴田勝二/自己を救うために 『それから』の理論と日韓関係
 坂本正博/『昆虫詩集』の世界 宇宙的眺望の即物詩
校書掃塵10
 坂口博/「新風土」の小説家・水原吉郎