受贈誌紹介

2024年10月27日
●「火山地帯」第212号(鹿児島県鹿屋市)は12作品を掲載。立石さん筆の「編集後記」で地震の報告がされています。お住まいの場所は活断層がないとのこと。しかし8月8日夕方の宮崎県日向灘を震源とする地震で5弱の揺れ。お隣の宮崎県では6弱。寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」との言葉を引用されています。忘れようもないくらい、天災を身近に感じる近ごろです。
●「絵合せ」第9号(福岡市西区)は小説4編と詩、随筆ほかを掲載。7月28日に博多で開催された全国同人誌協会の「同人誌会議」について報告されています。他の同人誌との交流もあり、大いに盛り上がったそうです。
●「アピ」15号15周年記念号(茨城県笠間市)は小説4編とエッセイ、短歌、川柳、詩歌を掲載。15周年記念号として表紙をカラー版にされています。毎号、宇田三男さんの筑波山や筑波の風景画が表紙を飾っています。新しくおふたりの方が加わられたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「樹宴」第27号(東京都葛飾区)は小説8編とエッセイを掲載。表紙は毎号、辰巳功さんの写真です。今号は手前に広がる白い花。蕎麦の花でしょうか、はるか遠くまで埋め尽くしています。背景は濃い緑の木々と山並み。青い空には雲が。花畑の中に立っている大木がアクセントとなって全体を引き締めています。毎号、こんな風景の中に立ったらさぞ気持ちいいだろう、と思いながら眺めています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「クレーン」46号(群馬県前橋市)は小説7編と書評、エッセイ・評論を掲載。発行日は2025年1月1日です。同誌の発行所は「前橋文学伝習所」です。井上光晴氏は全国14カ所に伝習所を創立。その流れを汲む同人誌はこの1誌だけになってしまいました。他の伝習所で学んだ方の寄稿も掲載されています。作品から、「文学」にがむしゃらに取り組んで鍛えた「背骨」のようなものが伝わってきました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「日曜作家」第48号(大阪市東淀川区)は小説1編と連載小説2編、詩、エッセイ、随想を掲載。おひとりの方が退会。そしてまたおひとりの方が新たに加わられたそうです。同人の入れ替わりはあるものの、同人誌で書きたいと思われる方がおられることがうれしいです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「飢餓祭」vol.52(奈良県大和高田市)は小説9編と「追悼 桔梗第三さんを偲ぶ」を掲載。「追悼」の夏当さんによる桔梗さん像は「シャイで可笑しく、賢く謙虚。(略)愛妻家(略)。潔癖、あるいは正義感、あるいは思いやりそれらを混ぜて、ハスキーボイスなおじさん」とまだまだ続きます。追悼を寄せられた8名の方がたみなさんが述べられているのは、なんとも魅力的な桔梗さんです。どうしてもお名前が気になりますが、謎のままのようです。そこも魅力のひとつなのでしょう。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」十月號(名古屋市西区)は小説2編と短歌、エッセイ、評論、戯曲ほかを掲載。竹中忍さん筆「編集後記」には郵便料金の値上げに関して印刷代に言及されています。ネット印刷では、校正など不充分な点も出て来ます。月刊の同誌では「少しの遅延も許されず、すべてをスムーズに運ぶ必要がある。」と記されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.905 11月号(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆、書評を掲載。今村さん筆「編集後記」には「西日本文学展望」(西日本新聞、茶園梨香さん筆)で評された903号掲載の岬龍子さん「海を渡る」の記事が転載されています。また井上智重さんの訃報が報告され、追悼文を募っています。
●「南風」第56号(福岡市早良区)は掌編5編と小説2編を掲載。同誌は原稿の遣り取りを郵便で行われているそうです。土曜日の配達がなくなったり料金の値上げなど、郵便事情も変化してきました。利用者の減少も進んでいて、仕方ないのでしょうね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「季刊午前」第64号(福岡市博多区)は小説2編と随想、評論、詩ほかに加えて「追悼・潮田征一郎さん」を掲載。追悼では潮田さんが発表された作品目録と12編の追悼文および作品が掲載されています。私も潮田さんとご一緒していた時期があり、氏の作品が大好きでした。福岡市文学館館報でインタビューさせてもらったのも大切な思い出です。同会では読書会も行われているそうで、最近は志賀直哉『灰色の月』、高見順『草のいのちを』、中野重治『萩のもんかきや』、三島由紀夫『橋づくし』とのこと。

2024年09月18日
●「詩と眞實」No.903(9月号)(熊本市南区)は小説3編と詩、随筆を掲載。「編集後記」(今村さん筆)には熊本日日新聞「散文月評」(古江研也氏)に取り上げられた富永俊一郎さんの著書に関する記述が紹介されています。今号から会員と同人それぞれ1名の方が加入されたそうで、よかったですね。
●「季刊遠近」第87号(横浜市青葉区)は小説5編を掲載。「編集後記」(三さん筆)で7月の講評会中止について書かれています。理由は「同人には高齢者が多いこともあり、文学より命を優先した。」そうです。その通り。命あっての文学、ですよね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」九月號(名古屋市西区)は小説4編と戯曲、エッセイ、書評、評論を掲載。月刊(年10回発行)の本誌に毎号、小説を発表しておられる水田功さんの作品は今号が「第158話」で「ヨウムのお節介(2)」です。毎回、原稿用紙10枚ちょっとで、今回のように分けて掲載される時もあります。書くことと生きることが密着した生活を想いました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「照葉樹 二期」第26(通巻37)号(福岡市中央区)は小説5編と随筆、俳句、詩を掲載。当誌も通巻37号になり、「編集後記」で主宰の水木怜さんが「照葉樹として、その根はしっかりと文学という土壌に根付いてきた」と述べられています。
●「龍舌蘭」第212号(宮崎市清武町)は小説3編と詩、評伝、随筆などを掲載。「同人短信」で渡邉眞美さんが通っておられる「大人の文章教室」について書いておられます。こんな教室があったらいいなあ、と思いながら読みました。以前は作家の方や元新聞記者、現代文学の教授などが講師の文章教室が各県にありました。近ごろあまり見かけなくなりました。
●「星座盤」vol.18(大阪府摂津市)は小説9編を掲載。みなさんが短文を寄せられている「あとがき」には、新たに参加された方が4名。前号の外部合評会参加後に加わった方もおられます。4名の方みなさんが今号に作品を発表されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「海峡派」第161(創刊50周年記念)号(北九州市八幡西区)は小説8編と詩、詩時評、講話録、俳句、短歌、語り本、エッセーに加えて「創刊五十周年特別記念号発刊」と題して3名の方の文章が並んでいます。50年前、9名の方がたが集い、「海峡に望むちょっと田舎町に位置する無頼の徒」という意味で誌名がつけられたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「六伽士花史」第四号(大阪府枚方市)は「歴史小説アンソロジー」を掲げています。今号は6作品を掲載。作品の末尾に「作者のことば」と題して、作品の時代背景や執筆の動機などが書かれています。作者が出会った史料に好奇心を刺戟され、想像を膨らませていった経緯などが述べられています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「敍説Ⅳ」2(福岡市中央区)。今号の特集は「文学の前線」です。「【特集小言】文学の前線へ」(畑中佳恵さん筆)で「前線」を「桜の開花日において同期する地域が、あるいは敵軍同士のまみえる地点がそうであるように、近い未来の予測とかかわる最新の現在地」と説明されています。2000年代以降に発表された作品を対象に11名の研究者の論考を掲載しています。
●「てくる」vol.34(滋賀県大津市)は小説7編と詩、俳句、エッセイを掲載。平野さんが「編集後記」で富岡多恵子について綴られています。この作家が晩年「『老いの生き方みたいな文章』は書きたくない」と語ったことに対して、「老人を主人公にした作品は、もっと書かれてもいいのではないか」との意見が述べられています。「同人誌の場だからこそ幅広く、自由に創作できるのではないか。」とも。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.904(10月号)(熊本市南区)は小説1編と詩、随筆を掲載。今村さん筆の「編集後記」で西日本新聞「西日本詩時評」に取り上げられた右田洋一郎さんの「れんこん食堂賛歌」を紹介しています。熊本名物の辛子蓮根に寄せた作品です。
●「稲麻竹葦」第十号(大阪市中央区)は4作品を掲載。今号は遣唐使がテーマです。表紙は鮮やかな朱で彩色された遣唐使船(平城京跡歴史公園の復元船)の写真です。およそ1500年前から海を渡った遣唐使たち。その航海は苦難の連続だったでしょう。それほどに大陸は魅力的だったのでしょうね。

2024年07月26日
●「第八期 九州文學」通巻585号 2024年夏号(福岡県筑紫野市)は小説10編と詩、俳句、随想、掌編、コラムを掲載。「編集後記」には木島さんが編集長就任以来の思いを綴っておられます。「幸いなことに原稿が集まらなくて困ったという記憶はない」そうです。52人の同人と特別同人おひとりが集う同誌ならではのこと。「同人各位が、この雑誌に自分の作品を載せて、異彩を放つ作品群に一石を投じたい、と思うような同人誌を心がけて行きたい。」と結ばれています。
●「八月の群れ」Vol.78(神戸市西区)は9作品を掲載。松良子さん作「揺れる」はご自身が経験された阪神・淡路大震災について避難所運営の立場から書かれた作品です。今年の元旦に起こった能登半島地震の報道に接して、「脳からはもう止めようがなく震災のことがあふれ出てきて心が不安定で揺れ動く。」と綴られています。体験の深刻さが伝わってきます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」七・八月合併號(名古屋市西区)は小説4編と戯曲、短歌、書評、エッセイ、評論ほかを掲載。「人工天文台」と題する短文集に橋本玄也さんが「田山花袋『蒲団』再読」を寄せられています。最初に読んだのは15歳の時。当方も同じ経験をしました。13歳の時、中学生になったのだから文庫本をと張り切って本屋に行き、最も薄かったことを理由に買い求めました。なんだか暗くて情けない話だなあ、くらいの記憶しかありません。私も再読してみましょう。新たに会員の方が入会されたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「まがね」第66号(岡山市中区)は小説9編と随想、詩に加えて特集「はな」を掲載。特集は「花」や「鼻」を題材とした6作品が並んでいます。笹本敦史さんの論考「秘すれば花」は昔と今の価値観の落差が述べられています。そういえば以前、「男は黙って……」なんてコマーシャルもありました。人の感覚もずいぶん変わったものですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「日曜作家」第47号(大阪市東淀川区)は小説3編と連載小説1編に加え、詩、手紙、エッセイ他を掲載。同人の石井健三郎さんの訃報が報告されています。旅に関する作品を数多く発表されました。新たに元映画監督のキムテグヮンさんが入会されたそうです。これからが楽しみですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.902 2024 8月号(熊本市南区)は小説1編と戯曲、詩、随筆を掲載。「編集後記」(今村さん筆)には熊本日日新聞と西日本新聞に掲載された同誌の書評が紙面を割いてそのまま紹介されています。以前は各新聞に同人誌の書評欄がありましたが、文芸誌ともに廃止されたところも多くなりました。同人誌の書評掲載はありがたいです。
●「岩漿」第32号(静岡県伊豆の国市)は小説3編と詩、評論、短歌、エッセイほかを掲載。今号から発行人が小山修一さんから橘史輝さんに代わりました。発行所も変更です。「編集後記」(たさん筆)によると、団塊またはポスト団塊の世代からひとまわり若い新人類世代へ引き継がれたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「さくさく」89は小説19編とノンフィクション、詩、随筆を掲載。「編集後記」は創刊以来、坂本和子さんが書いて来られましたが、今号はご夫君の良介さんです。おふたりで同人各人の「書くこと」に寄り添った同人誌づくりをしてこられたことなど記しておられます。松風直美さんによる表紙絵は毎号、季節感にあふれています。今号はのびやかに飛ぶカモメが3羽。背景に流れる空色も涼しげです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2024年06月22日
●「あるかいど」第76号(大津市真野)は小説9編とエッセイを掲載。「編集後記」(切さん筆)の文芸フリーマーケット広島参加記がおもしろい。本を並べて立っているだけではみんな通り過ぎるだけ。ふと隣を見ると、まったく関係ない犬のぬいぐるみを置いている。すると来場者は立ち止まり、犬について話し掛けたりしている。そこで案内文を手渡したりして巧みに誘導する。なんだか落語の話にありそうだけれど、参加する時はそんな工夫も必要なのだと感心しました。
●「筑紫山脈」第45号(福岡市西区)は小説2編とエッセー等ほかを掲載。脇山さん筆の「編集後記」に「高齢化の波を受け、同人数は6名と危機的状態です。今後どうなるかは、未知数です。」と記されているのが目にとまりました。6名という人数は「危機的状態」なのでしょうか。もっと少ない人数で発行している同人誌もあります。当方は2名です。そのためどちらかの都合が悪ければ、発行できません。実際、6年間も発行していません。でも止めたわけではなく、状況が整ったのでまた書き始めて発行しようと目論んでいます。端から見るとずいぶんいい加減に見えるでしょうが、「ねばならない」がない自由さも同人誌のよいところではないでしょうか。どうぞ、続けてください。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「蠍」60(長野県諏訪市)は5編の小説を掲載。同誌の紹介ページを入力しながら新しい方たちの参加があることを知り、こちらまで明るい気持ちになりました。2名の方たちが賛助会員として参加され、今号に作品を寄せられています。うれしいお知らせがもうひとつ。松崎洋さんが59号掲載の「朧月夜」で第27回信州文学賞を受賞。おめでとうございます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」六月號(名古屋市西区)は小説4編と短歌、エッセイ、評論ほかを掲載。事務局の寺田さんがご自身の経験を踏まえ、住所などの個人情報を公開することについて書いておられます。私も気になってはいるのですが、同人誌に印刷されている範囲においては公開可としています。各誌の紹介ページですが、以前ここを通して嫌がらせを受けた方がおられてページを閉じました。連絡先などの情報については掲載自由です。発行所などは掲載しないとか、メールアドレスだけとか、ご希望があればご一報ください。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.901 7月号(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆を掲載。表紙をめくると、5月25日に催された900号記念祝賀会のカラー写真が飛び込んできました。総勢24名の集合写真は圧巻です。当たり前ながらお顔とお名前が結びつかないのがもどかしいのですが、じっくり眺めました。5月3日の熊本日日新聞には「日本最古定期刊行の文芸同人誌」として紹介されたそうです。
●「西九州文学」第51号(長崎県大村市)は小説2編と回顧作品、詩、エッセーを掲載。回顧作品は第34号掲載の宮崎栖吾郎さん作「五十年-遠い記憶」です。「編集後記」(居原さん筆)に氏の訃報が報告されています。第2号から34号まで作品を発表され、編集者としても尽力されました。「それによって、創刊当時を知る主要メンバーがすべて」当誌の場から「退場され、現役同人は心の拠り所を失ったことに気づかされる」と綴られています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「海」第99号(福岡市中央区)は小説5編と回顧作品、詩、散文詩、俳句、招待席ほかを掲載。同誌は1987年に「海」として創刊。2008年終刊の翌年「海第二期」として発行。今回、99号をもって再度「海」として出発しました。その経緯を発行人の有森信二さんが「新たな『海』へ-初期『海』とともに」と題して書いておられます。充分になされた議論の内容など詳しく記されています。100号を前にしての変更です。

2024年05月27日
●「季刊遠近」第86号(横浜市青葉区)は小説6編と連載小説1編のほかエッセイとコラムを掲載。この1年のあいだ編集に携わられた小松原蘭さんに代わって、次号からは逆井三三さんが編集長に就任されます。逆井さんについて「編集後記」(蘭さん筆)で、「遠近」の中で歳は若いが在籍年数が長い、と紹介されています。逆井さんについては、円熟味ある洒脱な文章を書かれる方、と勝手に高齢の方を想像していましたので、少し意外でした。次号からも「編集後記」を楽しみにしています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」五月號(名古屋市西区)は小説3編とアフォリズム、エッセイ、評論を掲載。25年にわたり事務局を引き受けてこられた棚橋鏡代さんが3月号をもって退任され、寺田繁さんに受け継がれました。「編集後記」(竹中忍さん筆)で創刊からの75年間つづいて来た本誌の精神が述べられています。「競わない」、「時代に迎合しない」、「助け合う」が筆者じしんの言葉で記されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「龍舌蘭」第211号(宮崎市清武町)は小説3編と詩、旧作再掲~詩、随筆、龍舌蘭通信、同人短信を掲載。旧作再掲は真田亀久代さんの詩「河口」と「観光案内図」です。1910年生まれの作者の興味ぶかい経歴が紹介されています。表紙が今号からカラーになり、小松孝英さんが担当されます。1979年、延岡市生まれの氏は「蝶の画家」として評価され、今号の表紙画もたくさんの蝶が微細に描かれています。昨年末、97歳で退会された足立正男さんについて「親分へ」と題して渡邉眞美さんが心のこもった文章を寄せられています。
●「海峡派」第160号(北九州市八幡西区)は小説8編と詩、俳句、短歌、語り本、エッセーを掲載。1974年創刊の本誌は今年で50周年を迎えます。この50年間、一度も休むことなく年3回の発行を続けられたとのこと。「編集後記」(池田さん筆)は「いよいよ次号は五〇周年記念号として、新たな挑戦を期待したい。」と結ばれています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「総合文芸誌 ら・めえる」No.88(長崎市錦)は小説3編と巻頭言、童話、俳句、エッセイ、評論を掲載。「長崎ペンクラブ」が発行している本誌はペンクラブ会長と発行人を40年以上つとめられた田浦直さんに代わって吉田秀夫さんが引き継がれました。また編集長には草場里見さんが就かれています。交代について、前・新の会長および発行人が文章を寄せられています。誌上で当方のHPを紹介してくださり、ありがとうございます。ひとりでも多くの方が訪れてくれるといいですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「絵合せ」第8号(福岡市西区)は小説4編と巻頭言、詩、随筆を掲載。前号から「同人歴代掲載作品」と題して、五十音順に14名の方がたについて、掲載ジャンルや作品名などが並んでいます。また「書評報告」も創刊号からの記録が載っています。貯金が貯まってゆくような感じかなと想像しました。前野まつりさんの表紙画は鉛筆画でしょうか。鯉のぼりが風をはらんで泳いでいます。
●「私人」第111号(東京都新宿区)は9作品を掲載。本誌は「朝日カルチャーセンター」の受講生の方がたで発行されています。近ごろ受講生の数が減ってしまい、年4回の発行が出来なくなったとのこと。以前は福岡でもいくつもの文章教室があり、文章教室で腕を磨いて来た人が同人誌に参加、という流れでした。いま福岡では文章教室はありません。俳句や短歌は盛んのようですが。
●「火山地帯」第211号(鹿児島県鹿屋市)は13作品を掲載。「編集後記」(立石さん筆)に宮崎市で催された九州芸術祭文学書授賞式と、それに続く「龍舌蘭」の祝賀会について記されています。立石さんは鹿児島県選考委員として授賞式に出席され、祝賀会にも参加されました。その場から県をまたいだ交流が始まりました。私も両方に出席しました。作品とお名前、またはお名前だけ知っている方との出会いはとても新鮮で興味深いものでした。コロナ禍を挟んで数年ぶりの大宴会で、立石さんともすっかり仲良しになりました。私は隣県で行き来するというわけにはゆかず残念です。今後を期待しています。

2024年04月22日
●「詩と眞實」900号記念特集号(熊本市南区)は小説16編と詩、随筆、特集 緒方惇、詩と眞實年表抄、歴代編集・発行人名簿、詩と眞實叢書一覧を掲載。昭和23年(1948)の創刊以来、75年間ほぼ毎月発行されてきました。特集には緒方惇さんの詩作品と氏を偲ぶエッセー3編が寄せられています。同誌の歴史と共に歩んで来られた緒方さんには胸のすくようなエピソードがたくさんあるようで、昭和39年当時の編集長は「月の御姫様か星の女王様みたいな表現で、讃えていた」(今村有成さん筆)とのこと。実力も兼ね備え、テレビや新聞、雑誌などても活躍されたそうです。
●「日曜作家」第46号(大阪市東淀川区)は小説4編と連載小説2編のほか詩、エッセイ、作品群(二つの詩作と二つの小品)を掲載。毎号、季節感あふれる安野悠一さんの表紙写真は菜の花です。菜の花の黄色は春の到来を知らせてくれます。そして瞬く間に桜が咲いて散り、せわしなく季節が流れてゆきます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「ignea」11号(大阪府三島郡)は5作品を掲載。「後記」には11名の方がたが短文を寄せておられます。自作品のこと、社会情勢、身辺雑記、詩のような心象風景なと様ざまです。長尾さんの文章を読んで吹き出してしまいました。南国の田舎町でのこと。泥色の池のほとりに無人販売の餌が。空き缶に小銭を入れて池中央まで延びる桟橋へ。餌を投げ込んだとたん、現れたのはおびただしい数のナマズで、まるでホラーアトラクションだったそうです。生き物好きな私としては、ぜひ体験してみたい。
●「北斗」四月號(名古屋市西区)は小説5編とエッセイ、評論ほかを掲載。「人工天文台」には同人の方がたが短文を寄せておられます。ゲンヒロさんの「レジゴー」にはスーパーマーケットのカートに付いたスマホに品物のバーコードを読み込ませて支払いまでできる、と書かれています。レストランなどでもテーブルにバーコードがあるだけで、自分のスマホで読み込んで注文というのもあります。店員さんを読んで口頭で注文すればよいのですが、私などかなり無理しつつスマホをいじくりまわしています。最も高いのは人件費かも。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「季刊午前」第63号(福岡市博多区)は小説3編と評論、詩、エッセイ、追悼・樋口伸子さんを掲載。「編集後記」(廣さん筆)で創刊当時からの同人、潮田征一郎さんの訃報を知りました。創刊時から表紙絵を描いておられた田部光子さんも亡くなられ、詩人の樋口伸子さんとお三人とも強い印象があります。以前は人と人との触れ合いがもっと濃厚だったように思います。
●「樹宴」第26号(東京都葛飾区)は小説6編とエッセイを掲載。辰巳功さんによる表紙写真は加工しておられるのでしょうか。不思議な感じがする風景です。今号は常緑樹の林の下を埋め尽くす綿毛のような花。こんな日も差さない場所に、こんなにも咲くものなのでしょうか。そもそも何の花なのか。手前を見ると低木に花だけがびっちり付いているようです。気になって仕方ありません。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「南風」第55号(福岡市早良区)は小説4編とエッセイを掲載。「編集後記」(紺野夏子さん筆)にロシア民謡「一週間の歌」を引用して、一週間の始まりは日曜日か月曜日かについて書かれている。日本のカレンダーは日曜日から始まる。ヨーロッパでは月曜日かららしい。聖書には神が天地創造して7日目に休息した、と書いてあったように記憶している。日本ではまず休息して、それから6日間はたらくということだろうか。この違いは何なのだろう。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.899(熊本市南区)は小説3編と詩、随筆を掲載。会員の貴田雄介さんが作品「雨」で第58回詩人会議新人賞佳作二席受賞とのこと。おめでとうございます。今村さん筆「編集後記」は毎号、時事関連の記述が並んでいます。今号は日銀と相撲の動向です。同誌のHPには最新号情報なども掲載されています。
●「時空」第56号(横浜市金沢区)は小説1編と評論、エッセイ、短歌、俳句、書誌を掲載。鈴木一正さんは毎号、参考文献目録を掲載しておられます。「編集後記」に師と仰ぐ深井人詩氏との交わりが書かれています。本誌掲載の書誌に注目された深井氏に誘われて文献探索研究会で何度か発表され、『書誌年鑑』にも執筆されました。それから20年以上、書誌の執筆を続けておられます。私は書誌というものが今ひとつ理解できなかったのですが、今号の「武田泰淳参考文献目録-令和三年~令和五年-」にたまたま知っている方の名前を見つけました。発表された論文名と出典が記されています。研究の世界の奥深さを垣間見た気分でした。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2024年03月27日
●「九州文學」通巻584号、2024年春号(福岡県筑紫野市)は小説7編と掌編2編のほか詩、俳句、短歌、川柳、随想、コラムを掲載。同人の白水百合子さんのエッセイ「フォンに負けるな」が令和5年度「若者を考えるつどい2023」で奨励賞受賞とのこと。白水さんは日本語学校教師の目から見た留学生を作品やエッセイとして発表し続けておられます。よかったですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「茶話歴談」第6号(大阪府堺市)は歴史・時代小説8編を掲載。同誌は第2回全国同人雑誌賞の「新同人(ニュー・ウェーブ)雑誌賞」を受賞。おめでとうございます。また4年振りに直接、顔を会わせての「外部合評会」をもたれ、多くの読者の方から意見や感想が寄せられたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」三月號(名古屋市西区)は小説6編と短歌、エッセイ、書評、評論ほかを掲載。今号をもって事務局の担当が交代となりました。みなさん「月刊を維持することに固い信念を持って」発行しておられます。これまで事務局を担当されて来た棚橋さん、ご苦労様でした。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「木綿葉」第18号(熊本県八代市)は小説10編と漫画、短歌、散文詩、随筆、翻訳・鑑賞、批評を掲載。同誌は「熊本県民文芸賞」への挑戦を積極的にすすめておられます。結果、昨年は小説部門で柳宗一郎さな作「夢のあとさき」が一席、評論・ノンフィクション部門で眞木誠司さん作「落地生根−ロマンの残党」が同じく一席を受賞。着実に成果をあげられていますね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「ふくやま文学」第36号(広島県福山市)は小説13編と詩、随筆に加えて、特集「掌編小説」には10作品が寄せられています。河内きみ子さんが「編集後記」で喜寿の会に出席されたことを書いておられます。他の同人誌では80歳を期に役員を交代された方のご報告。当方も前期高齢者です。これから先を思って、少しずつ負担を減らしながらこのHPを続けてゆこうと考えています。とすると、同人誌は高齢者で支えられていると言えるのではないでしょうか。これは誇るべきことかもしれません。そしてなんといっても、同誌の中山茅集子さんは98歳でしょうか。今号にも瑞々しい作品2編を発表しておられます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.898、4月号(熊本市南区)は小説3編と詩、随筆を掲載。新加入や再加入の方が3名くわわられたとのこと。よかったですね。編集委員をしておられる深町秋乃さんの詩集『柔らかい水面』が「H氏賞」候補に選出されたことが報告されています。よい結果がでますように。
●「さくさく」88(東京都台東区)は小説19編とノンフィクション、詩、随筆を掲載。今号も堂どうの336ページです。坂本和子さんの「編集後記」では、世界ではいろいろなことが起こっていますが、私たちには「表現することはできます。いろいろなことに思いを巡らせ想像力を働かせ、創作につなげてゆきましょう。」と呼び掛けられています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「マスト」第42号(兵庫県川西市)は小説2編とエッセイ、俳句とエッセイ、ファンタジー、俳句を掲載。こちらは86歳の眉山葉子さんの小説「海辺の黄色い家」を掲載。「同人記」によると、眉山さんはYouTubeを始められたそうです。頼もしい限りです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
■北九州文学協会が編集・発行する「ひびき」を戴きました。当誌は、北九州文学協会文学賞」受賞作品集です。今回は第17回。小説、エッセー、詩、短歌、俳句、川柳の6部門に分かれています。小説部門は大賞、優秀賞ともに該当作品なし。佳作は「水曜日の伝説」古林邦和さん、「なすびの硯」橋村淑子さんです。

2024年02月22日
●「詩と眞實」No.896・2024年2月号(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆、書評を掲載。第52回「詩と眞實賞」が発表されました。韻文の部では(詩)上野陽子さん、散文の部では(小説)岬龍子さんが受賞。1年の総決算としてみなさんで投票し、同人の中から受賞者を選ぶのはいいですね。
●「日曜作家」第45号(大阪市東淀川区)は小説3編と連載小説1編のほか詩、エッセイ、随想を掲載。同誌の創刊をよく覚えています。2013年、創刊と同時に代表の大原正義さんが連絡をくれ、紹介ページを作りました。大原代表の同人誌に対する熱意が伝わってきて、当方も利用してくださることをありがたく思いました。その後、病を得られて編集後記に「なってしまったものは仕方ありません」と書かれたのを繰り返し思い出しています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「火山地帯」第210号(鹿児島県鹿屋市)は13作品を掲載。テレビディレクターでノンフィクション作家でもある多胡吉郎(たごきちろう)さんの連載「鴎外の遺品」は今号で完結しました。立石さん筆「編集後記」で、「ほかの仕事も抱えながら、地方の同人雑誌に精力的に書き続けてくださったことにとても感謝している。」と謝辞が述べられています。
●「季刊 遠近」第85号(横浜市青葉区)は小説3編と連続小説1編、エッセイを掲載。藤田小太郎さんの連載小説「紙の卒塔婆」は今号の「秋彼岸」で完結しました。前84号に小説「めまいのする読書」を発表された加藤櫂の訃報が報告されています。新会員になれて間もないことだったそうです。初めての投稿が遺作となってしまいました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「湧水」第31号(熊本市中央区)は小説7編と巻頭言、現代詩、短歌、俳句、川柳、エッセイ、評論、中村青史先生追悼を掲載。中村青史氏に関しては「詩と眞實」No.894、No.895に2号続けて追悼文が掲載されました。ふたつの同人誌を読んでいて、氏のお人柄や功績が伝わってきました。同誌は「文学および歴史愛好者の大きな輪を作りたい」との願いから「くまもと文学・歴史友の会」が年1回発行しています。
●「AMAZON」No.523(兵庫県尼崎市)は小説2編と紀行、評論を掲載。同人の申玄虎さんの訃報が報告されています。前号の編集作業もされたとのこと。同誌の作品音訳も進められたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「絵合せ」第7号(福岡市西区)は小説5編と巻頭言、随筆を掲載。本誌も創刊時からのお付き合いです。一昨年の創刊から年3回の発行を守られ、現在は17名の同人の方がたが集っておられます。添えられたお手紙に「日常の身近な出来事を題材にして、日常を描きとる力を養います。」とあります。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「mon」Vol.21(大阪市阿倍野区)は5作品を掲載。同誌は第2回「全国同人雑誌大賞 新人賞」を受賞。また19号掲載の松嶋涼さん作「落下する球体」が第17回「神戸エルマール文学賞」受賞とのこと。おめでとうございます。同人の多くが子どもさんの学校や役員など人生の多忙期に差し掛かっておられるそうです。お若い方が多いんですね。誌面からも伝わってきます。
●「詩と眞實」No.897・2024年3月号(熊本市南区)は小説2編と詩を掲載。前号で第52回「詩と眞實賞」の発表があり、今号からまた新たな挑戦の1年が始まりました。今号から新しい同人の方がおひとり加わられたそうです。

2024年01月16日
●「敍説Ⅳ」1号(福岡市中央区)の特集は「遠藤周作と九州」。8編の論文を掲載。生誕100年にあわせた企画です。九州・山口中心の研究者で発行されている同誌ですが、「土地の側から作品を捉え返す」という視点の論考が寄せられています。他に批評4編と資料・書誌を掲載しています。今号からⅣ期に入りました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「総合文芸誌 ら・めえる」No.87(長崎市錦)は小説5編と評論、エッセイ、童話、俳句を掲載。「さろん・ど・ら・めえる(編集後記)」に合評会で出た意見が紹介されています。「若い人が原稿を書かないので、どういうふうにして若い人に気に入られるようにしていくかが課題」。「気に入られる」ようにするのは、難しいですね。編集長が新名規明さんから草場里見さんへ受け継がれました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.895令和6年1月号(熊本市南区)は小説3編と詩、追悼を掲載。「中村青史先生追悼・続」で岬龍子さんが「青史先生がいない」と題する文章を寄せておられます。熊本大学で教鞭を執っておられた先生の講座「日本近代文学」聴講の経緯が書かれています。単位が必要でないなら私の授業に関してはいつでもいいですよ、と言われて一年間かよわれたそうです。贅沢な経験ですね。第45回熊本県民文芸賞現代詩部門で上野陽子さん入選。2023年度県近代文化功労者として小野友道さん顕彰。
●「ぱさーじゅ」第46号(大阪市北区)は12作品ほかを掲載。「花田さんを偲んで」と題して8名の方がたがの文章が載っています。今号から山田幸平氏の「編集後記」を復刻版として掲載しています。初回は1994年の創刊号よりの転載です。創刊の経緯や誌名に込めた思いが綴られています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「海 二期」31・通巻第98号(福岡県太宰府市)は小説4編とエッセイ、俳句、詩ほかを掲載。同誌は今号を最後に、「海 第二期」から初期「海」に回帰するそうです。よって次号は99号です。節目の100号が目前ですね。
●「ガランス」No.31(福岡市博多区)は小説5編と遺稿エッセイほかを掲載。「編集後記」(Oさん筆)に八谷武子さんの訃報が記されています。八谷さんは労働基準監督官をなさった方で、自分史ふうに書いた作品を発表してこられました。氏の「猫じゃらし」(19号掲載)が再掲されています。
●「北斗」1・2月合併號(名古屋市西区)は小説6編と記録、短歌、アフォリズム、エッセイ、評論ほかを掲載。「記録」は昨年もよおされた「700号セミナー」での講演Ⅰ「『北斗』来し方、今、未来」竹中忍さん、講演Ⅱ「私と長谷川時雨、『女人芸術』、そして『北斗』」尾形明子さん、鼎談『現代女性文化研究所』の仕事と課題」岡田孝子さん、尾形明子さん、竹中忍さん、で構成されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「飢餓祭」vol.51(奈良県大和高田市)は小説13編とエッセイほかを掲載。vol.50「歴程号」に続き今号は「躍進号」です。50集記念の祝賀会と表彰(「全国同人雑誌会議」より「50号賞」受賞)の様子が写真入りで報告されています。とても楽しそうです。佐伯厚子さんが「木山捷平文学賞」を、小網春美さんの著書『しずり雪』が「泉鏡花記念市民文学賞」を受賞。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「龍舌蘭」210号(宮崎市清武町)は小説3編と詩、随筆、その他に加えて「旧作再掲」が掲載されています。「旧作再掲」は黒木淳吉さんの詩、と鮒田トトさんの小説「蝶の問題」です。個人的には鮒田トトさんの作品が読めるのはありがたいです。同じ宮崎市で発行していた同人誌「遍歴」の休刊について3名の方が書かれています。ふたつの同人誌の交流やつながりを興味深く読みました。新同人が入られたそうです。
●「海峡派」第159号(北九州市八幡西区)は小説5編と詩、短歌、俳句、エッセー、評論、語り本に加えて木村和彦さん(元発行人)への追悼詩と追悼句を掲載。「語り本」は羽犬塚結さんの「ひとり語り いくさのさん」です。散文詩のような、まさにひとり語りの淡々とした文章から哀しみが伝わってきました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2023年12月10日
●「AMAZON」No.522(兵庫県尼崎市)は小説5編のうち1編は小品(お題は「海」)とエッセイを掲載。音読原稿はスマホのLINEで送ることができるそうです。ご希望の方は申玄虎さんへご連絡ください、とあります。事務局へ問い合わせてみてください。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.894(熊本市南区)は小説2編と詩、追悼、遺稿詩、追悼文を掲載。「追悼 中村青史氏」と題し5名の方が追悼文を寄せられています。氏は昭和9年生まれで、昭和34年に当誌加入。昭和47年には著書『徳富蘇峰・その文学』で蘇峰会賞を受賞されています。恒例の「詩と眞實賞」の投票や忘年会の案内なども載っています。
●「さくさく」87(東京都台東区)は小説17編とノンフィクション、詩、随筆を掲載。坂本和子さんが「編集後記」で異常気象を嘆いておられます。「何とかならないか、良い知恵はないかと、右を向いたり、左を見たり、空を仰いだりして、ふっと思えば『さくさく』八十七号のどこかにヒントや解答があるかもしれません。」と。文学ってそういうものですよね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「クレーン」45号(群馬県前橋市)は小説7編と書評特集、評論、特集 酒とギャンブル、詩、追悼を掲載。追悼は、せとたず(瀬戸多鶴子)さん。1934年函館生まれ。中学校の国語教師をしておられ、井上光晴の山形文学伝習所に参加されました。その後、前橋文学伝習所が発行する同誌に加わられました。文学伝習所と聞くと、日本各地で盛り上がりを見せた文学への熱いエネルギーを感じます。私は参加したことはありませんが、話を聞く度に「さぞ、すごかったろう」と想像しています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「カム」Vol.21(兵庫県西宮市)は7作品とコラムほかを掲載。「神戸エルマール文学賞KDL特別賞 受賞」と題して、取り上げられた同人誌評が載っています。「三田文学」、「大阪文学学校」、「神戸新聞」、「季刊文科」、「文芸思潮」、「民主文学」の名が上がっています。また同人の他誌への寄稿も紹介されていて、交流の様子がうかがえます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「八月の群れ」Vol.77(神戸市西区)は8作品を掲載。今号は、色々な意味で世相を反映していると言える作品が多い、そうです。コロナ禍の恩恵として、オンラインでの編集会議の定着をあげておられます。確かに移動時間と場所に縛られないのはいいですね。昨年に続き「文学フリマ大阪」に参加されたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「文芸 百舌」8号(大阪府枚方市)創作7編とエッセイ、詩、寄稿ほかを掲載。「カーテンコール」と題して11名の方がたが短文を書いておられます。山下ともさんの「文学学校に入学したいきさつ」を夢中で読みました。ご本人は障害があり、父親の飲酒と暴力にさらされて来られました。40代の頃、お母様がテレビで見られたのを切掛に「今からでもいい」と文学学校に「行きなさい」と言われ費用を出してくれました。信頼できるチューターと出会い、本を出版するまでのことが書かれています。「書くこと」に出会われてよかった、と心から思いました。新加入者おひとりがあったとのこと。
●「北斗」12月號(名古屋市西区)は小説6編と短歌、エッセイ、評論ほかを掲載。10月22日開催の700号記念セミナーは満席の盛況だったとのこと。当日の講師は日本近代文学研究家の尾形明子氏とNPO法人現代女性文化研究所代表理事の岡田孝子氏。この時の講演と鼎談は1・2月号に掲載予定だそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「アピ」14号(茨城県笠間市)は小説3編とエッセイ、短歌、川柳、詩歌を掲載。毎号の表紙は宇田三男さんの鉛筆画でしょうか、淡いタッチで筑波山や筑波の美しい風景が描かれています。第47回笠間市民美術展覧会で笠間市長賞を受賞されたそうです。受賞作のタイトルは「新緑の筑波山」です。おめでとうございます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「babel」第6号(大阪府八尾市)は小説3編と詩、エッセイを掲載。2年ぶりの発行です。久しぶりに受け取って、続けておられるのを知るとほっとします。当方が発行している同人誌は2018年を最後に発行していないのですが、また来年から出そうと思っています。少人数の同人誌はどうしても都合がつかない時もあります。無理せず続けてゆきましょう。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「小説π」第15号(さいたま市大宮区)は8作品を掲載。こちらも2年ぶりの発行です。以前は3年に1回が何号か続きました。無理をせず、続けることがだいじですよね。新しく参加された中村友莉恵さんも作品「プラム」を発表されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2023年11月13日
●「詩と眞實」11月号No.893(熊本市南区)は小説1編と詩、随想、エッセーを掲載。900号記念特集号に向けて、毎号の「編集後記」で原稿の集まり具合が報告されています。月刊ですから、半年後には編集作業の真っ只中ですね。今村さんが「編集後記」で合評会会場の変遷を書いておられます。昭和39年に同人に参加され、軽食喫茶のような店の2階で「何か飲みながら喧々諤々批評し、馬鹿野郎!と怒鳴られた記憶がある」そうです。なつかしい。
●「南風」第54号(福岡市早良区)は小説5編とエッセイを掲載。「編集後記」(紺野夏子さん筆)に、7月29日開催の第5回全国同人雑誌会議、第2回同人雑誌協会総会が報告されています。同誌は50号賞を、紺野夏子さん作「鴉」が河林満賞を受賞されたとのこと。おめでとうございます。「同人雑誌から新たな文芸潮流を」と題した会には全国から百数十名のご参加があったそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「樹宴」第25号(東京都葛飾区)は小説9編とエッセイを掲載。「編集ノート」(駿さん筆)にエンターテインメントと純文学について記されています。いろいろ言われて来ましたが、いつか聞いた「エンターテインメントは他人のために書くもの。純文学は自分のために書くもの」との説明が最もしっくりくるように思います。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「季刊 遠近」第84号(横浜市青葉区)は小説8編とコラムを掲載。たくさんの新会員の方が入られたそうです。紹介ページの目次を入力しながら、「おやっ、この方のお名前はこれまであったかなあ。新しい方かなあ。この方は今号も書いておられるなあ」などと思いを巡らしています。コピー&ペーストでお名前を入れるものですから。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「九州文学」583号(福岡県筑紫野市)は小説8編と詩、俳句、短歌、随想、評論、コラムを掲載。当誌も「南風」と同じく全国同人雑誌会議と同人雑誌協会総会に出席され、「編集後記」(木島さん筆)で報告されています。「書かずにおられない、という市井の人々のやむにやまれぬ思いを伝えていく同人誌は、出版不況と言われる状況の中でも決してなくならず、逆に人間のありのままの姿を伝えるものとして存在意義が高まっている」との議論に意を強くされたそうです。また百号以上継続している同人誌として表彰された、とも。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」11月(名古屋市西区)は小説4編と短歌、書評、エッセイ、評論ほかを掲載。同誌も全国同人雑誌会議と同人雑誌協会総会出席が棚橋鏡代さんによる「編集後記」で報告されています。藤沢周平氏の講演があり、会場を出る際に偶然、氏と一緒になり、本誌を渡して言葉を交わしたエピソードも紹介されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「てくる」Vol.33(滋賀県大津市)は小説8編と詩、俳句、短歌、エッセイを掲載。9月に文学散歩を催されたそうです。目的地は会員の加藤清三郎さん上梓『返り梅雨』の舞台である旧猪飼野地区。大阪コリアタウン歴史資料館にも立ち寄られ、最後はゆかりの居酒屋へ。市の町名変更により、現在は「猪飼野」という街区名はないそうです。この地名を聞いて、ふと金時鐘さんを思い出しました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「あるかいど」75(滋賀県大津市)は小説10編とエッセイを掲載。恵さん筆の「編集後記」によると、初めての事前合評会で自作について出された多くの意見に違和感が。自分の意図を述べると、驚かれて「そういう意味やったん!」「それやったら、この書き方では伝われへんわぁ」と。その後も事前合評会の度に「大きな宿題をもらうけれど、これが同人誌の醍醐味だと思っている。」そうです。

2023年10月13日
●「海峡派」第158号(北九州市八幡西区)の掲載は小説6編と詩、エッセー、評論(解説)、短歌、俳句、連歌と多岐にわたっています。土田恵子さんの表紙画を毎号たのしみにしています。いろいろな模様が入った紙のコラージュと思うのですが、直線で描かれた風景は妙な存在感があって、不思議な味わいです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「AMAZON」No.521(兵庫県尼崎市)は小説4篇と詩に加えて「全国同人雑誌大賞受賞関係」としてこれまでの歩みや授賞式の報告がなど3編を掲載。7月に大阪で行われた授賞式には同会から4名の方が出席され、賞状と賞金、トロフィーを受け取られたそうです。おめでとうございます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」10月号No.829(熊本市南区)は小説2編と詩、書評を掲載。ホームページを開設されたとのこと。URLはhttps://shitoshinjitsu.comです。毎月最終土曜日に開催される合評会の様子も載っています。こちらの「名前」のページからリンクを貼りますね。
●「稲麻竹葦」第9号(大阪市中央区)は芦原瑞祥さんと猿川西瓜さん、おふたりの4作品を掲載。今号のテーマは「妃たちの壬申の乱」です。芦原瑞祥さん筆「楽浪(ささなみ)の志賀、見れど飽かぬ吉野」は壬申の乱ゆかりの地のいわば聖地巡礼記です。行く先ざきの写真も掲載されていて、本誌を片手に歩きながら古来に思いを馳せるのも味わい深いでしょうね。
●「火山地帯」第209号(鹿児島県鹿屋市)は15作品と詩1編を掲載。立石さん筆「編集後記」に「ここのところ書き手が増えてきて嬉しい悲鳴を上げている。」とあります。しかし小説以外の作品が多いそうで、それが「残念というか気がかり」とも。当HPも小説を掲載する同人誌を対象にしています。やはり同人誌の顔は「小説」かと。
●「絵合せ」第6号(福岡市西区)は小説5編と随筆ほかを掲載。2022年2月創刊の本誌は年3回の発行を重ねて6号まできました。前野まつりさんの表紙絵も6作目です。繊細でやわらかいタッチの鉛筆画が季節を感じさせます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」10月(名古屋市西区)は小説5編と短歌、エッセイ、評論ほかを掲載。先月、厚みある700号記念号を受け取ったばかりなのに、もう701号です。月刊のゆえですが、編集は慌ただしいことと想像しました。竹中忍さん筆「編集後記」に発行までの進め方が書かれています。月例会冒頭で編集会議を開き、参加者全員で話し合われるそうです。その後、自他の作品についてそれぞれが発言。「創刊以来、変わらぬ平等で民主的な運営」とも。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「日曜作家」第44号(大阪市東淀川区)は小説2編と連載小説2編に詩、エッセイ、手紙を掲載。岡崎さん筆の「編集後記」に、同人である小邑咲也さん作「迷宮のアグリアス」が「文芸思潮」最新号に転載、と報告されています。9月25日発売ですから、もう本屋さんに並んでいます。近ごろは文芸誌を置いている本屋さんも減りましたけれど。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「私人」第110号(東京都新宿区)は8作品を掲載。当誌は東京都新宿区で開講している朝日カルチャーセンターの「小説作法入門」講座で学んでおられる方がたで発行されています。創刊から33年、110号まで続いているのは貴重な誌歴ではないでしょうか。

2023年09月11日
●「まがね」第65号(岡山市中区)は小説9編と随筆、詩、特集「旅」を掲載。同誌は年1回の発行ですが、ここ数年「新しい書き手が加わるなどしてページ数が増え続けている」そうで「発行頻度を上げることが可能かもしれない」と。頼もしいですね。毎号掲載の特集。今回のテーマは「旅」です。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.891(熊本市南区)は小説3編と詩、その他を掲載。「残日読書日記 14」で取り上げられているのは文藝春秋「代表的日本人一〇〇人」、平戸喜文「心残り」、藤阪信子の渡辺京二追想「喩えれば龍のような」です。石牟礼道子さんと渡辺京二さんに関する本を読んだばかりなので、「残暑日記」を興味深く拝読しました。いろんな繋がりがあって、やはり地元は違いますね。
●「龍舌蘭」第209号(宮崎市清武町)は小説4編と詩、旧作掲載、随筆、同人短信を掲載。藤崎正二さん筆「同人短信」によるとリーディング公演「Portry Reading 7vices & 2sounds」という藤崎さん、くらやまこういちさん、渡邉眞美さんの作品を役者の方が朗読するイベントがあり、約100名の方が集われたそうです。同じく「同人短信」から、くらやまこういちさんが前号を大正製薬に送られたそうです。すると大量のリポビタン商品と丁寧なお手紙が届いたとのこと。私が製造者でも、前号掲載のくらやまさん作「リポビタンD」の詩を読んだら感謝の気持ちを込めてお返ししますね。
●「照葉樹二期」第24(通巻35)号(福岡市中央区)は小説4編と随筆、俳句、詩を掲載。水木玲さん筆の「編集後記」では深刻な地球温暖化や実現されない世界平和を憂い、「お願いだから、ミサイルを飛ばすのは止めて! 核の危険から地球を守って! 飢える市民を救って! 地球を壊すのは止めて!」で結ばれています。
●「北斗」九月號(名古屋市西区)は第700号記念號です。小説4編と短歌、エッセイ、評論に加えて700号記念特集が組まれています。特集は「北斗」概史、旧作再録、再録人工天文台、再録編集後記と「『北斗』によせて」と題して19名の方がたがの寄稿で構成。同人、会員のみなさん、気合いが入ってます。当方も気合いをこめて入力しましたので、入力ミスが心配ですがお役に立ててもらえれば嬉しいです。なお700号記念文化セミナーの詳細は紹介ページから見ることができます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「星座盤」vol.17(大阪府摂津市)は小説6編と詩を掲載。本誌15号掲載の丸黄うりほさん作「透明感あふれる美老男」が第16回神戸エルマール文学賞・KDL特別賞受賞。講評も掲載されています。また「季刊文科84」に転載された14号掲載の水無月うららさん作「手のなかの水」が大学の入試問題に採用されたそうです。よかったですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「歴史小説アンソロジー 六伽士花史」第3号(大阪府枚方市)は5作品とエッセイ「ぼくのわたしの源氏物語」を掲載。エッセイは5人の方がたが源氏物語との関わりを綴っておられます。生活の中でごく自然に関わってこられた「源氏物語」についてであったり、創作もあります。諸さやかさんは高校時代の趣味が「品詞分解」で、「源氏物語」と格闘された様子がユーモラスに語られています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「季刊午前」第62号(福岡市博多区)は小説4編と詩、特別企画「私が出会ったこの一編」、追悼・加茂宗人さんを掲載。加茂さんは創刊時から中心メンバーを務めてこられました。第2号掲載の加茂さん筆「書くということ」を掲載。また3人の方がたが追悼文を寄せておられます。特別企画は小説、詩、エッセイなど表現方法は自由。文体も工夫されていたり、多彩な作品が並んでいます。

2023年08月02日
●「時空」第55号(横浜市金沢区)は小説1編と評論、エッセイ、短歌、書誌ほかを掲載。会員の庵原高子さんの著書『波と私たち』(田畑書店令5・3)に納められた短編小説7編と随筆11編のうち6編が本誌に発表された作品とのこと。今号に庵原さんの「新作『波と私たち』の背景」を掲載。東京大空襲で家を焼かれた経験から始まり、文学とのかかわりや自死の問題などが綴られています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」8月号No.890(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆、日録を掲載。小野友道さんの県芸術祭文化祭奨励賞受賞が報告されています。おめでとうございます。また第45回熊本県民文芸賞募集要項を紹介。熊本県民の方が対象です。公募ガイドはhttps://koubo.jp/contest/186322。
●「西九州文学」第50号(長崎県大村市)は50号の記念特集を組んでいます。掲載は小説5編に特集記事、回顧作品、詩、エッセーです。「特集記事」の「『西九州文学』第50号までの歩み・総目次」では総目次を中心に創刊号から各号を取り上げて具体的に解説しておられます。大切な歴史ですね紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。。
●「AMAZON」No.520(大阪府尼崎市)は小説3編とエッセイ、ドキュメンタリーを掲載。表紙には「全国同人雑誌大賞 受賞」の文字が。協会加盟354誌の中から大賞を受賞されたとのこと。おめでとうございます。発行人が寺岡さんから北川さんへ引き継ぎされたとの報告が挟んでありました。紹介ページの発行人を更新しましたが、他の部分が以前のままなので変更などお知らせください。
●「日曜作家」第43号(大阪府茨木市)は小説2編と連載小説3編に加えて詩、手紙、エッセイ、随想を掲載。「編集後記」(岡崎さん筆)に、「文芸思潮」から小邑咲也さん作「迷宮のアグリアス」転載依頼の連絡があったことが書かれています。「同人の作品が認められたこと、送付先で確かに本誌が読まれていることを嬉しく思い、また励まされた。」と結ばれています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「岩漿」第31号(静岡県伊東市)は小説3編とショートショート3編、詩、随筆、俳句、短歌、随想、パロディと小さなエッセイほかを掲載。「編集後記」(しさん筆)に「四角四面なジャンル分けに与(くみ)しない作品も含めて」や「ジャンルにこだわらず自由に書く」という文章があります。なるほど紹介しているジャンルの他に「ひろば」があります。そのひとつ竹平萬里さんの「人間模様」は随筆かなと思うのですが、読んでいて吹き出していまいました。正直に綴られた生活は、作者が意図しない滑稽さを醸しています。無理に枠に当てはめない自由さが感じられました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「さくさく」86号(東京都台東区)は小説16編とノンフィクション、詩、随筆を掲載。文学市場が発行している本誌は今号もいろとりどりの新鮮な作品が並んでいます。私は表紙を飾る松風直美さんの大ファンです。思いがけず松風さんのクリアファイルを戴き、ありがとうございます。もう、うれしくってずっと手元に置いて眺めています。私が戴いたのは「ねこばけまいり」と「干支集合」。「松風直美-猫専門またたび堂 通販サイト」
http://matatabido.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=1596800&sort=nで見ることが出来ます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2023年07月08日
●『ガラスの街』坂之上千代著(大阪府枚方市)は1994年から2001年まで同人誌「法螺」に発表された9作品に加筆訂正されたものです。著者は現在、同人誌「文芸 百舌」を主宰しておられます。
表題になっている「ガラスの街」は、付き合っている男女の行き違いが女性の視点で書かれています。表現の隅々まで行き届いた文章が印象的です。電話ボックスの場面から始まりますが、今はもうこんな出来事もないでしょうね。とても良い作品と思いました。
●「北斗」六月號(名古屋市西区)は小説5編とエッセイ、評論ほかを掲載。七・八月合併號も同じく小説5編とエッセイ、評論ほかを掲載。「『北斗』700号記念 文化セミナー」のチラシが入っていました。月刊の同誌は今年9月に通巻700号が発行されます。セミナーの開催は10月22日(日)。参加費は無料ですが、予約が必要です。詳細などは紹介ページの事務局にお問い合わせください。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「八月の群れ」Vol.76(神戸市西区)は8作品を掲載。今号から編集委員に加わられた幸村篝さん筆の「編集後記」には8作品すべての紹介が載っています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.889 7月号(熊本市南区)は小説1編と詩、日録、書評を掲載。月刊の当誌は来年6月で900号を迎えます。「なるべく多数の同人の作品を掲載」するべく準備が進んでいます。
●「海 第二期」第30号(福岡市中央区)は小説5編とエッセイ、詩、散文詩、俳句、ほかを掲載。また「『海』第二期三十号発行記念小特集」を掲載。同人誌「海」についての記述や、海をテーマにした詩やエッセイが並んでいます。
●「季刊遠近」第83号(横浜市青葉区)は小説5編と読み切り連載、エッセイ、コラムを掲載。同誌の表紙は難波田元氏の作品を毎号、色を変えて作製。今号は「爽やかな新緑の緑にしました。」とのご挨拶が挟まれていました。当紹介ページには22号からの表紙画像を掲載しています。62の色とりどりの表紙が並んでいます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「九州文學」通巻58号2 2023年夏号(福岡県筑紫野市)は小説6編と詩、俳句、短歌、随想、掌編、コラムを掲載。「同人の近況」では城戸祐介さんの第53回九州芸術祭文学賞佳作受賞と、梶原佑心さんの第22回島木赤彦童話コンクール優秀賞受賞が報告されています。おめでとうございます。またおふたりの方が新しく入会されたとのこと。こちらも、おめでたいですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2023年06月02日
●「龍舌蘭」第208号(宮崎市清武町)は小説3編と詩、随筆、評論などに加えて「旧作再掲」では1952年に発表された神戸雄一さん作の詩を掲載。おふたりの方が新たに参加されたそうです。「読者短信」で賛助会員の小西宏子さんが前号の「旧作再掲」に触れておられます。再掲は鮒田トトさん作「迦陵頻迦」。鮒田さんは注目されるなか急逝されました。先月も研究者の方から彼女の作品について訊かれたところでした。
●『朽葉色の霜』播火110号記念同人競作集(姫路市西今宿)は小B6版判の手に馴染むサイズで、活字も大き目で印刷されています。帯には「宝石を探すように言葉を選ぶときめきを蒐(あつ)めた10人のアンソロジー」とあり、随筆、詩、五行詩、小説などそれぞれの作品がならんでいます。表紙を文末に添付します。
●「AMAZON」No.519(神戸市西区)は小説3編と詩、随想を掲載。音訳版の配布が始まるそうです。読者(聴者)が広がりますね。本誌に「ホームページのご案内」が掲載されていますが、当HPでは2004年11月発行のN0.408から111号ぶんの表紙画像と目次を紹介ページに掲載しています。あわせて紹介するとか貴HPからリンクなど、利用してくださるとよいのですが。紹介ページに今号を追加しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」6月号No.888(熊本市南区)は小説2編と詩、日録を掲載。甲斐ゆみこさん作「石の花」が第33回伊東静雄賞佳作受賞。応募者が738名だそうです。熊本県からは他に清水らくはさんも同じく佳作受賞とのこと。おめでとうございます。
●中山茅集子最新作品集『カニ工場が見える家』(中山茅集子著、前橋文学伝習所事務局)は中編2編と短編7編で構成されています。「クレーン」(群馬県前橋市)に発表された3編は感想をKURAに掲載しています。ご自身は「ふくやま文学」(広島県福山市)に所属しておられます。97歳の中山さんはエリザベス女王と同い年です。昨年、発表され著書のタイトルにもなっている『カニ工場が見える家』は少女のやわらかい感性が瑞々しく描かれており、社会の動きにも切り込んだ作品です。表紙は画家であるご主人の作品でタイトルは「ラッパ」です。
●「火山地帯」第208号(鹿児島県鹿屋市)は12作品と詩を掲載。同人の多胡吉郎さんが『生命(いのち)の谺 川端康成と「特攻」』で第35回和辻哲郎文化賞を受賞されました。同誌に5回にわたって連載された作品を単行本にまとめられたものです。授賞式の挨拶で「受賞作が一同人誌から生まれたものであることを強調しておきました。」と。頼もしいです。
●「私人」第109号(東京都新宿区)は5作品ほかを掲載。同誌はカルチャーセンターの文章教室の受講生が発行している同人誌です。「受講生であれば誰でも投稿することができ、作品は教室で合評されます。」と。掲載作品はどれもレベルが高く、校正が充分になされています。109号発行という時間と教室での切磋琢磨のたまものでしょうか。
●「あるかいど」第74号(滋賀県大津市)は小説10作品を掲載。今号から表紙一新。シンプルながら細部まで行き届いた繊細なデザインです。誌名は星の名前からきています。裏表紙には日本語で、表紙には英語で、由来と「同人は『小説を書くことは、もう一度生き直すこと』を信じて書き続けている。」と。自分たちのスタイルを貫く心意気を感じました。
●「総合文芸誌 ら・めえる」No.86(長崎市大浦町)は小説7編と童話、俳句、エッセイ、評論を掲載。同誌は長崎ペンクラブが発行する総合文芸誌です。名簿には理事9名、正会員25名、賛助会員7名、法人会員7団体が記されています。広告欄には「長崎唯一の総合文芸誌『ら・めえる』を応援します」と。地域に根ざした文芸活動ですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「絵合せ」第5号(福岡市西区)は小説5編と巻頭言、詩、随筆を掲載。同封されたお便りに「書評報告」があり、創刊号から4号までの評15が紹介されています。評の掲載は「図書新聞」、「季刊文科」、「西日本新聞」、「文芸思潮」です。同人誌評の存在はありがたいですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「筑紫山脈」第44号(福岡市西区)は小説2編とエッセー等、旅行記に加えて創刊号らかのバックナンバーを掲載。「バックナンバー紹介」は、今号で「廃刊になるかも」との危機感からだそうです。「編集後記」(脇山さん筆)に「高齢化が進み、とうとう現役会員7名という危機的状態に」とありますが、7名いらっしゃれば充分と思います。しかし財政的問題もあるそうで、今後は年1回の発行になるそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2023年05月03日
●「てくる」32号(滋賀県大津市)は小説4編と詩、俳句、エッセイを掲載。「編集後記」(平野さん筆)に、国方勲さん著『朴がいた町』出版の経緯が綴られています。当誌会員の山本佳子さんには、4年前に亡くなられた国方さんから届いた葉書エッセイを埋もれたままにしたくない、という思いがあって今回の出版になったそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」4月號(名古屋市西区)は小説5編と短歌、書評、エッセイ、評論を掲載。棚橋鏡代さんが「編集後記」で断捨離について書かれています。本の始末を古本屋さんに訊ねられると、「プロの作家のものなら引き取るが、自費出版本は、売れないから引き取らない」と言われたそうです。仕方ないですね。自分たちのお金で、自分のために書いて発行しましょう。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「樹宴」第24号(東京都葛飾区)は小説11編と詩、エッセイを掲載。「編集ノート」(駿さん筆)も本の断捨離について書かれておられ、くすりと笑ってしまいました。4つもの全集を始め、蒐集された本がたくさん。誰ももらってくれないし、読み切るためには「一日三冊、年に千冊読まなければならない」そうです。むかしは箱入りの立派な装幀の全集がずらりと並んでいたら、ちょっとしたものでした。いまTSUTAYAなんかで引き取ってくれるのでしょうか。取りに来てもらわないと、持ち込みは無理ですね。お気持ち、よくわかります。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實社」No.887(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆、日録を掲載。上村隆一さんの表紙絵とカットがいつも気になります。今号の表紙は女の子が両手と片足をを挙げて踊っているように見えます。横には靴が片方ころがっています。顔はどう見ても「おじさん」です。スカートをはいているのと身体のバランスから女の子に見えるのですが、「きもかわいい」のです。つい見入ってしまう不思議な絵です。
●「南風」第53号(福岡市早良区)は小説6編とエッセイ他を掲載。和田信子さん筆「編集後記」には「同人それぞれに家庭の事情や健康状態など難事を抱えていた」とあります。そんな中、同人みなさん全ての作品が揃った今号です。「力を尽くした達成感が得られれば発刊の意義はあったというものである。」としめられています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「海峡派」第157号(北九州市八幡西区)は小説8編と詩、エッセー、評論、書評、短歌、謡本を掲載。同人のさとうゆきのさんのご主人はユージノサハリンスク(旧南樺太豊原市)生まれで、ロシア軍の侵攻により命の危険を感じながら引き揚げて来られました。今は亡きご主人を手伝い書き残された『龍の仕業』を上梓。ご自身も今号でユージノサハリンスクに寄せる想いを記しておられます。本誌は二十から九十代までの幅広い作品が載っています。新たにお二人の参加もあったそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「日曜作家」第42号(大阪府茨木市)は小説2編と連載小説3編のほか詩、エッセイを掲載。「編集後記」(岡崎さん筆)に掲載順について書かれています。以前ある方が「後のものほど読まれないもの」「質の高い作品ほど前にある方がよい」と言われたそうです。私はまったく逆に思っていました。質の高い作品ほど後ろ、未熟な作品ほど前、と。公平にするため、という順序決めが面倒なため、内容に関係なく分量の少ない順というのもあります。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「飢餓祭」第50集(奈良県大和高田市)は記念のVol.50歴程号です。長編1編と11作の短編に加えて、特集「飢餓祭のわたし」には13名の同人の方がた全員が文章を寄せられています。また「追悼 凛々佳(古館佳永子)さん」には7名の方がそれぞれの想いを書いておられます。短い期間でしたけれど、強い印象を残して逝かれた方との思いが伝わります。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」5月號(名古屋市西区)は小説3編とエッセイ、書評に加えて「特集 竹中忍著『金鯱落焼』を読む」を掲載。特集は7年のあいだ主に当誌に発表された作品をまとめて出版された竹中さんの本について、17名の方たちが文章を寄せておられます。前回、棚橋鏡代さん『うげ』と星川ルリさん『私の影を踏まないで』が出版された時もですが、多くの方たちが仲間の著書についての文章を掲載されています。出版を祝うあたたかい気持ちを感じます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。


2023年03月24日
●「茶話歴談」歴史・時代小説アンソロジー第5号(大阪府堺市)は7作品と「特別掲載」1作品を掲載。本誌は「太平洋戦争終結までの日本人が主人公、あるいは日本が舞台となる作品」との規定があります。今回、中国が舞台の小説が寄せられ、数回に及ぶ討議の結果「特別掲載」として掲載することになったとのこと。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.886(熊本市南区)は連載小説1編と詩、随筆、日録を掲載。本誌は2024年6月号を「900号記念特集号」として準備が進んでいます。すでに応募原稿は小説7編、詩2編が提出されているそうです。意気込みが伝わってきます。
●「季刊遠近」第82号(横浜市青葉区)は小説7編と連載小説1編、エッセイ、コラムを掲載。藤田小太郎さん作「紙の卒塔婆」は最終章です。今号では3人の方がたがデビュー。いずれも他の同人誌などで書いてこられています。心強い新人ですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「マスト」第41号(奈良県川西市)の誌名は木偏の漢字です。私の能力ゆえかATOKゆえか判りませんが、出せずすみません。今号は小説4編と童話、ファンタジーを掲載。「同人記」にみなさんが短文を記されています。ある方は道で倒れ、いくつかの病院をまわされて頭の手術を受けられたとのこと。その間の記憶がなく何が起こったか知らないまま、病院で目覚めた時の描写が真に迫っておそろしいです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「さくさく」85(東京都台東区)は小説19編と詩、ノンフィクション、随筆を掲載。小説のうち7編が連載小説です。今号では東大寺茂さん作「家族」が連載6回目の最終回です。連載随筆はSKさんの「映画日記」が63回目で、ざっと数えただけで67作品が紹介されています。「近年の傑作」、「最近の収穫」、「見るに値する」、「見所あり」、「好き好き」と5段階評価もの数で付けられています。この方はいったい年何作品を観ておられるのでしょう。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「AMAZON」No.518(神戸市西区)は小説3作品とエッセイ、評論を掲載。「作品・小品募集」はジャンルを問わず2ページ分の投稿を呼び掛けています。お題は決まっていて、5月号は「天気」、7月号は「夏休み」、9月号は「パソコン」、11月号は「海」です。お題を見ると、記憶や想像が刺戟されます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2023年03月15日
●「ぱさーじゅ」第45号(京都府八幡市)は11作品と短歌を掲載。毎号、松村哲秀さん作の表紙画を見るのが楽しみです。鉛筆でしょうか、細い線で描かれた作品は作者が何に興味を持ったかが明確に伝わってきます。「表紙の言葉」を読みながら、作者の経験を追体験しているような気になります。今号のタイトルは「那智飛瀧神社」。日本一の大みくじを引く様に見入りました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「AMAZON」No.517(神戸市西区)は小説3編と随想を掲載。本誌は関西と東京の2カ所に拠点を置き、それぞれで例会が持たれています。昨年11月は合同例会が名古屋市で行われ、出席者6名と誌上参加2名。515号作品について活発な合評内容が報告されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.885(熊本市南区)は小説2編と詩、散文詩、日録を掲載。今村さん筆「編集後記」は毎号、日記ふうに日付と社会情勢やニュースが書かれています。今号はいつもとは違って、ご自身の体験が臨場感を持って報告されています。1月深夜にご自宅から50mほど離れた一軒家で出火。ストーブが原因らしく、一人住まいのご婦人が焼死されたそうです。「わが家にも火の粉舞う、至近距離の火事の恐怖」とあります。
●「仙台文学」101号(仙台市泉区)は小説2編と詩、随想を掲載。今年度の第59回宮城県芸術協会文化祭詩部門で会員である齊藤砂火絵さんの宮城県知事賞受賞が報告されています。おめでとうございます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「九州文學」通巻581号(福岡県筑紫野市)は小説7編と掌編1編に加えて詩、俳句、短歌、随想、コラムほかを掲載。「編集後記」は4名の方がたが短文を寄せられています。ご自身の書くことに対してや、本誌「九州文學」に対する思いが綴られています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」三月號(名古屋市西区)は小説5編と短歌、評論、エッセイに加えて「追悼 内藤司」を掲載。追悼は内藤さんの過去掲載作品4編と3名の方がたの追悼文で組まれています。竹中忍さん筆の「編集後記」によると今年9月発行の700号に向けて関東地区の方たちを招いてシンポジウムを計画しておられるそうです。「全国同人雑誌会議」(全国同人雑誌協会主催)開催に対する期待や「風の森」26号(東京都国分寺市)の感想もあり、他誌に対する好奇心や敬意も感じられます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「照葉樹二期」第23号(福岡市中央区)は小説4編と詩、俳句、随筆を掲載。水木怜さん筆「編集後記」では同人の高齢化が記されています。そんな事情でおひとりの方が退会。でも新たに参加された方もあり、同誌を「選んでくれたことを誇りに思う。」と結ばれています。
●「木綿葉ゆうは」第17号(熊本県八代市)は小説14編と歴史小説2編、漫画、短歌、紀行、随筆を掲載。当誌では同人へ熊本県民文芸賞への応募を呼び掛けておられます。昨年の応募者は小説部門5人、短歌部門と川柳部門それぞれに1人。結果は小説部門で村林孝彦さん「祈る石」が1席と冬木裕さん「空の色」が次席、短歌部門で池田翼さん「光る指」が入選。挑戦してみるのは大切なことですね。また池田翼さんの短歌が映画「あの子の夢を水に流して」の中で朗読されてそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「ふくやま文学」第35号(広島県福山市)は小説15編と詩、随筆、児童文学に加えて「特集 眠りに関すること」を掲載。特集は7名の方が、それぞれの視点から綴られています。花岡順子さんが「あとがき」で「私が三十年近く書いてこられたのは、この福山の地に『ふくやま文学』があったからこそ。」と書かれています。同人誌の存在意義を改めて感じました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「鐘」第35号(大阪府八尾市)は第40回大阪女性文芸賞の発表です。受賞作は「ア・マザー」寺澤あめさん(東京都小平市)作と、「影み。」堀越雪瑚さん(群馬県前橋市)作のダブル受賞です。おめでとうございます。選者は中沢けい氏、町田康氏。同賞は1983年に女性自らが運営する新人賞創設を目的に発足しました。今号での休止にあたって代表の尾川裕子さんがこれまでを振り返っておられます。休止決定の理由として、「女性のみ」を対象とする意義が薄れてきたこと、会員の高齢化、代表の健康上の問題などがあげられています。賞は休止になりましたが、協会の活動はこれからも続けられるそうです。
●冬乃玄著『北斗星』、『ひとり旅』、『幼なじみ』、『襟裳岬』のうち、『幼なじみ』は2022年9月に紹介しましたのでそちらをご覧ください。『北斗星』(令和3年12月発行)は「筑紫山脈」(福岡県春日市)28・29・30号に連載された恋愛小説です。著者が初めて書かれた長編小説だそうです。『ひとり旅」(令和4年6月発行)は25年にわたり書かれてきた旅行記やエッセイをまとめられた本です。『襟裳岬』(令和5年1月発行)は「筑紫山脈」に発表された小説4編がおさめられています。

2023年02月11日(土)
●「詩と眞實」No.884(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆、日録を掲載。第51回「詩と眞實賞」は韻文(詩)の部は該当なし、散文の部(小説)は出町子さん作「サンダル」「指の音」でした。おめでとうございます。今年の表紙絵とカットは上村隆一さんの作品です。今号の表紙絵は女の子が身体をふたつ折りにしているのでしょうか。背景は逆さまのビル群に見えます。女の子の顔が印象的で、見つめてしまいます。
●「龍舌蘭」第207号(宮崎市清武町)は小説2編と詩、随筆、旧作再掲、同人短信を掲載。再掲は富松良夫さんの詩と鮒田トトさんの小説です。今号では編集人の岡林稔さんの宮崎県文化賞受賞が報告されています。仁志幸さんの文章は晴れがましい授賞式の様子や受賞者の経歴や功績も紹介されており、ユーモアもあってよい文章と思いました。他にも第25回「みやざき文学賞」に松崎祥夫さん、鳥海美幸さん、野々上万里さん、野田一穂さんが入選。鳥海さんは「九州芸術祭文学賞」の宮崎県優秀作受賞。みなさん、おめでとうございます。
●「日曜作家」第41号(大阪府茨木市)は小説3編と連載小説1編のほか詩、エッセイ、随想を掲載。毎号1頁目には「発刊の言葉」が掲載されています。時どき読み返し、筆者の大原正義さんを思い出します。HPを見て連絡をくださり、紹介ページを作ったりしながら何度か遣り取りをしました。大原さんがこの同人誌に寄せられた強い思いが伝わってきて、身近に感じていました。癌を患われ、編集後記にも書かれました。「なったものは仕方がありません」と書かれたのを覚えています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「火山地帯」第207号(鹿児島県鹿屋市)は12作品を掲載。2回目の火山地帯交流会を催されたそうです。場所は新しくできた天文館図書館の交流スペース。Ⅰ部は図書館館長、Ⅱ部は小説と詩の書き手の講話で、会場いっぱいの30数名が参加。制限時間をオーバーするほど盛り上がったとのこと。また今後は鹿児島県内4つの同人誌の交流もやっていきたいと言っておられます。ぜひ実現させてください。
●「絵合せ」第4号(福岡市西区)は小説2編と詩、随筆、巻頭言を掲載。関西在住の桂一雄さんが小説を初寄稿されています。創刊から1年。順調に4号発行ですね。やはり同人誌の創刊はうれしいものです。ずっと続けてください。なんて、私が言わなくてもだいじょうぶですね。実がともなった老婆心です。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「mon」Vol.20(大阪市阿倍野区)は21作品を掲載。今号はタイトルに「mon」が入った作品が並びました。1位は「門」8作品、2位「モン」5作品、3位「問」・「もん」各2作品、その他「mon」・「紋」・「悶」各1作品。使い方がとてもおもしろいです。私なら思いつかないだろうと思ったのは「カルダモン」「いいもん」「ももんじ屋」など。でも考えてみました。「モンタージュ」「モヒカン」。なんか短編が書けそうな気がします。

2023年01月16日(月)
●「北斗」一・二月合併號(名古屋市西区)は小説5編と短歌、エッセイ、評論を掲載。「編集後記」(棚橋鏡代さん筆)で第十回斎藤緑雨文学賞受賞が報告されています。「永年における鈴鹿川柳界への功績」として青砥たかこさん、「同人雑誌をはじめその編集刊行作業に対する功績」として麦畑羊一さんです。
●「AMAZON」No.516(神戸市西区)は小説3編と詩、エッセイを掲載。今号から編集委員になられた蔦恭嗣さんが「編集後記」で、自身のお仕事では「印刷物は近年電子化され、手で校正刷りに修正を入れるという経験は、長くなかった」と述べておられます。今はそんなふうになっているんですね。
●「海峡派」第156号(北九州市八幡西区)は小説7編と詩、評論、短歌、俳句、追悼、エッセー、レポートを掲載。同人の赤坂夕さんの追悼文とともにご主人の古濱紘志さん(いずれもペンネーム)のエッセー「別れの涙」が載っています。ご臨終の様子と、奥様が繰り返し語られたショッキングな引き揚げ体験が綴られています。
●「西九州文学」第49号(長崎県大村市)は小説3編と詩、エッセーを掲載。第37回長崎県文学賞の新人賞を宮城ま咲さん「一品たりない居酒屋」が受賞。おめでとうございます。本誌は節目の50号に向け、既に編集をスタート。「編集後記」(寺井さん筆)に同県の同人誌「長崎文学」100号刊行に対して「よくぞここまでという思いは我々とも共通する。いわば良きライバルに、心からエールを送りたい。」と記されています。
●「クレーン」44号(群馬県前橋市)は小説4編と連載2編に加えてエッセイ、評論、特集「私の恩師」を掲載。「インターネット紹介ページ」に当HPの詳しい紹介をしてくださって、ありがとうございます。「バックナンバーの表紙と目次・同人誌評が見られます!」と添えてくださったたのが、とてもうれしいです。また「文芸思潮」86号「全国同人雑誌評」のコピーを同封してくださり、重ねて感謝いたします。近いうちに掲示板で紹介し、当HPの「同人誌評」にストックします。


2022年12月31日(土)
●「海 第二期」第29(通巻96)号(福岡市中央区)は小説4編とエッセイ、詩、俳句、評論ほかを掲載。今号掲載の「招待席」と題する寄稿欄は「新たな空気を吹き込んでいただく」との趣旨で設けられたそうで、天津孔雀さんの散文詩と掌編小説が寄せられています。
●「季刊 遠近」第81号(横浜市青葉区)は小説5編とエッセイ、コラムを掲載。編集部の交代が報告されています。創刊からずっと携わってこられた難波田節子さん、逆井三三さんに代わり小松原蘭さんが編集部を担当されます。また4名の方がたが入会されたそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「時空」第54号(横浜市金沢区)は小説3編と評論、俳句、書誌を掲載。こちらも2年半ぶりで合評会をもたれたそうです。たくさんの同人誌で聞かれますが、同誌も高齢化が進み「仏教でいう『四苦』のうち、老・病・死に関わる作品も増えてきた。」と鈴木一正さんが「編集後記」で書いておられます。それもいいもんじゃなかと思います。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「季刊午前」第61号(福岡市博多区)は小説6編と詩、評論、エッセイ、戯曲を掲載。「編集後記」(律さん筆)に「『になります』という言葉が気になり始めて三十年は過ぎたと思う。」と書かれています。まったく同感です。テレビ番組で案内する場面でも「収蔵庫になります」「製造工程になります」と、氾濫してます。もうひとつ私が気になるのは「いただいく」の使い方です。「○○会社で営業をさせていただいております」「どうぞ、いただいてください」など。「編集後記」は「言葉の一つ一つにもっともっと注意を払って作品を書きましょう。」と結ばれています。

2022年12月20日(火)
●「八月の群れ」Vol.75(神戸市西区)は10作品を掲載。「合評会のお知らせ」が載っています。みなさん、リモートや書面での遣り取りなど工夫されていましたが、あちらこちらで再開しましたね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」12月号No.882(熊本市南区)は小説3編と詩、日録を掲載。熊本県詩人会代表に右田洋一郎さん、運営委員に深町秋乃さんが新たに就任されたそうです。地域文化の担い手として頼もしいです。こちらには「忘年会のご案内」が載っています。「忘年会」という言葉を久しぶりに聞く気がします。
●「敍説」Ⅲ-19(福岡市中央区)の特集は「震災」です。特集13編、小特集「火野葦平の現在」2編、批評8編を掲載。2021年10月15日発行の当誌が漏れていたので、このたび追加しました。特集は2011年からの10年間、1年1作品を選定し、それぞれの文学研究者の方がたが研究対象として論じられた文章です。俳句や短歌、漫画や映画などあらゆるジャンルが含まれています。目次を公開していますので、興味ある方は覗いてみてください。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「総合文芸誌 ら・めえる」No.85(長崎市大浦町)は小説5編と詩、俳句、エッセイ、評論を掲載。長崎ペンクラブが発行する当誌の会員名簿には理事、正会員、賛助会員、法人会員の方がたのお名前が載っています。地域のみなさんの支えで成り立っているんですね。「最近、原稿提出者が多くなりましたので、お一人400字詰め原稿用紙50枚以内ということにいたします。」と書かれています。同人誌の多様な形が興味深いです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「筑紫山脈」第43号(福岡市西区)は小説3編とエッセー等、旅行記、追悼ほかを掲載。10号から表紙絵を描いてこられた大國留美子さんへの追悼文8編が寄せられています。俳画のような趣ある表紙絵を眺めるのが楽しみでした。26号からは抽象的な作品が多くなり、表紙の地色と相まって印象的です。今号も灰色地にオレンジ系の絵画が鮮やかに描かれています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「さくさく」84号(東京都台東区)は小説18編と詩、ノンフィクション、随筆を掲載。編集をしておられる坂本さんが骨折のため入院されたそうで、「二十七年間一度も遅延したことがなかったのに」と悔やんでおられます。年3回、たくさんの作品を掲載する当誌を遅延なく発行されてきたことに驚いています。今号は予定より半月遅れです。すごいです。表紙を開くと出てくるだるまさんが今年を「困ったものだ」と見ているようで、可愛らしく味わい深いです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」十二月號(名古屋市西区)は小説4編とエッセイ、短歌、評論ほかを掲載。「編集後記」(竹中忍さん筆)で河出書房新社が期間限定で発行した季刊誌「スピン」が紹介されています。「徹底的に紙媒体にこだわった造本」だそうで、「純文学やミステリーとジャンル分けする商業的風潮に異を唱えたい」との編集者の言葉が書かれています。確かにどちらかに分類できないような作品もありますが、私は本を選ぶ時にはまずジャンルを意識します。商業的戦略にはめられているんでしょうか。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「私人」第108号(東京都新宿区)は7作品と他1編を掲載。都賀清二さん筆「私の愛読書」はG・ギッシング著『ヘンリ・ライクロフトの私記』です。「南イングランドの四季と生活を綴った随想」だそうです。都賀さんは何度も引っ越しをされ、その度に書棚の目立つ場所に置かれ、何回も手に取って読み始められました。「だが喜寿を迎えた今になっても春の章さえ読み終えたことがない。ただ手にした回数が一番多いというだけの愛読書」と。都賀さんの文章を読むと、なんとなく解る気がします。
●「アピ」13号(茨城県笠間市)は小説4編とエッセイ、短歌、川柳、詩歌を掲載。当掲示板でも紹介しましたが、12号掲載の西田信博さん作「死友」の茨城文学賞受賞が報告されています。8号掲載のさらみずえさん作「生命の森」に続く受賞です。同人誌で書いている方がたの活躍は何度、聞いてもうれしいですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「ガランス」30号(福岡市博多区)は小説6編ほかを掲載。節目を迎え「30号に寄せて-思いつくまま、田部さんのことなども」(鈴木比嵯子さん筆)に創刊からの思いや出来事が綴られています。28年間で30号だそうです。継続の重みを改めて感じました。
●波佐間義之作品集1『鉄人たちのレクイエム』、2『錆色の街で』(Eimi企画)。著者の波佐間さんは長い間「九州文學」の編集発行人を務められ、現在は「九州作家」(北九州市小倉北区)に編集同人として参加されています。また「絵合せ」(福岡市西区)にも発表されています。同人誌活動を始められたのは八幡製鉄(現日本製鉄)に就職してからです。今回、これまで書いてこられた作品を本にまとめられました。この後の作品集3以降も企画中だそうです。
●「詩と眞實」新年号No.883(熊本市南区)は小説2編と詩、日録を掲載。表紙に記された「新年号」に、「もう1年が経った」と「また新しい1年が始まる」との思いです。2023年の表紙絵とカットは上村隆一さんです。表紙のイメージががらりと変わりました。「編集後記」(今村さん筆)で受賞者の報告がなされています。「第53回九州芸術祭文学賞」熊本市地区優秀作に出町子さん、「第44回県民文学賞」評論・ノンフィクション部門入選に齊藤輝代さん、現代詩部門第1席に常松繁政さん、短歌部門短歌入選に寺山よしこさん、川柳部門入選に常松繁政さん。おめでとうございます。

2022年11月9日(水)
●「日曜作家」第40号(大阪府茨木市)は小説4編と連載小説2編に加えて詩、エッセイ、随想を掲載。あらたに1名の方のご参加があり、今号で小説を発表しておられます。安野悠一さんの表紙写真は燃えるような一面の紅葉。「錦秋」という言葉を思い浮かべました。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「詩と眞實」No.881(熊本市南区)は小説3編と詩、随筆、日録を掲載。井上智重さんによる日録は「残日読書日記」の4回目です。「国葬と旧統一教会問題の中に読んだ本」として伊藤之雄著『伊藤博文』と渋川玄耳著『恐ろしい朝鮮』が取り上げられています。「日記」とある通り、筆者の日常を交えて身近な内容で語られています。
●「南風」第52号(福岡市西区)は小説4編とエッセイを掲載。年2回、4月と10月を守って発行されている同誌の方にお話を聞いたことがあります。作品を持ち寄ってみんなで読んで意見を出し合い、校正を重ねて発行。そしてまた次の作品に取りかかるそうです。他の同人誌もそうですが、校正ミスが見当たらず文章もしっかりしています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「樹宴」第23号(東京都葛飾区)は小説12編と詩、エッセイを掲載。今号で創刊から10年が経過したとのこと。最初4名での発足が現在では11名の方がたが参加しておられます。今号からまた1名のご参加がありました。5号から送付くださっており、号を追うにつれて本誌の厚さが増して今号は246ページです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「九州文學」580号(福岡県筑紫野市)は小説5編と詩、俳句、短歌、掌編、評論、コラムを掲載。「編集委員会便り」に新会員の方2名が紹介されています。当HPにも523号からの表紙画像と目次をストックしていますので、どうぞご利用ください。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」11月號(名古屋市西区)は小説5編と短歌、書評、エッセイ、評論ほかを掲載。冒頭の「緊急提言」は竹中忍さんの「おどろおどろしい暗殺の本質」です。詳しい資料を提示して日本人の政治意識について語られ、これからの政治と国について提言されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「稲麻竹葦」第8号(大阪市中央区)は3編を掲載。今号のテーマは「ときじくの垂仁天皇」です。垂仁天皇は第11代天皇で、筆者の芦原瑞祥さんは、「記紀三大イヤな男の一人」と認定しておられたそうです。その蛮行の理由がテンポよくユーモラスに解説されています。
●「あるかいど」第73号(滋賀県大津市)は小説9編とエッセイを掲載。高原あふちさんの短編小説集『ハーヴェスト』が日本自費出版文化賞の小説部門賞受賞だそうです。おめでとうございます。この賞は4年前にも同人の住田真理子さんが『ハイネさん』で受賞されています。
●「AMAZON」No.515(神戸市西区)は小説2編と詩を掲載。折原さん筆の「編集後記」に、「この何年か新しい仲間が増え、力作も多くなって、今後もたのしみである。」と書かれています。当誌は年6回、奇数月の発行を守っておられます。また関西と東京の2カ所それぞれで活動されて作られています。いろんな遣り方があるんですね。気持ちが明るくなります。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「文芸 百舌」7号(大阪府枚方市)は創作7編と児童文学、エッセー、詩、旅の思い出、旅日記ほかを掲載。そえられた一筆に「全員の作品を載せる。それをただひとつの意義としてやってきました。」と書かれています。同人誌の基本ここにあり、と思いました。新しく3名の方がたのご参加があったそうです。

2022年10月9日(日)
●「火山地帯」第206号(鹿児島県鹿屋市)は小説5編と詩、評論、随筆などを掲載。中紙規良さん筆「特攻地・鹿屋へ行く」は、同じく同人の多胡吉郎さんの『生命(いのち)の谺・川端康成と特攻』出版記念講演と祝賀パーティー報告です。中紙さんご夫妻は羽田空港から宮崎空港へ。それからJRで宮崎駅まで。1泊して翌朝6時半にバスに乗り、2時間かけて目的地の鹿屋に到着。催しの内容だけでなく、旅行記のような文章が綴られていて筆者のお人柄がうかがえる興味深い内容でした。特攻隊は鹿児島県の知覧が有名ですが、鹿屋の陸軍基地から飛び立った特攻隊員の方が数も多く、悲惨だったことを初めて知りました。
●「詩と眞實」(熊本市南区)は小説2編と詩、目録を掲載。「編集後記」(今村さん筆)に同人の武村淳さん著『制御不能の神々―まだ夢は棄てるな』(熊本出版文化会館)について記されています。同誌と「九州文學」(福岡県筑紫野市)に連載された作品を中心にまとめられて刊行されました。武村さんは「ハンセン病国賠訴訟を支援する会」元会長も務められました。
●「飢餓祭」vol.49(奈良県大和高田市)は小説10編とエッセイ、雑記を掲載。添えられた短文に「飢餓祭同人一同、あらためて我が飢餓祭の旗を噛みしめているところです。」とあり、太字で「飢えた者たちよ、灯をかかげて集まれ」と書かれています。気が引き締まる思いがしました。灯をかかげた方2名が新たに入会されたそうで、それぞれの作品が載っています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「季刊 遠近」80号記念号(横浜市青葉区)は小説6編と連載小説1編のほかエッセイ、コラムに加えて80号記念の勝又浩さん筆「八〇という不惑」および10編の寄稿文を掲載。寄稿には購読会員の方4名も加わっておられます。心強い味方ですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「カム」vol.20(兵庫県西宮市)は6作品とエッセイを掲載。創刊から15年で20号です。紹介ページに創刊号からの表紙画像をストックしています。改めて眺めてみると、12号までの表紙は世界の日常的風景や人びとのモノクロ写真でした。何かを訴えているようで、印象的でした。それから一転して美しい色彩の表紙になりました。楽しく眺めています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「てくる」vol.31(滋賀県大津市)は小説6編と詩、俳句、エッセイを掲載。定年退職後に俳句を始められた岡田尚子さんの句には昆虫が詠まれています。興味深かったので詠まれている昆虫たちを紹介します。()は振り仮名、<>は当方記入。・蟷螂(とうろう)<カマキリ>・孑孑(ぼうふら)・蜻蛉(とんぼう)・蝉・ひぐらし・ちろろ<コオロギ>。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「北斗」十月號(名古屋市西区)は小説2編とエッセイ、短歌、評論、書評に加えて特集「棚橋鏡代著『うげ』 星川ルリ著『私の影を踏まないで』論」を掲載。特集では13名の同人の方たちが20編の論評を寄せられています。同人の著書出版に際して、これほど多くの方が評論された例を他に知りません。みなさんの暖かい応援の気持ちを感じます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「蠍」59(長野県諏訪市)は小説3編を掲載。松崎洋さんによる「編集後記」に、「とっくに八十を超えた爺さんと、間もなく八十を迎える爺さん、計三人の『三爺』の奮闘」とあります。いいですね。励まされます。このHPも「いち婆の奮闘」と言ってもらえたら嬉しいです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「絵合せ」第3号(福岡市西区)は小説4編と巻頭言を掲載。今号は新しく寄稿された方が2名。今年2月の創刊から着実に歩みを進めておられます。後藤克之さんの「巻頭言」のテーマは「きりとりと再現力」です。小説の執筆に際しての記憶について論考されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2022年9月13日(火)
●「詩と眞實」9月号No.879(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆、日録、書評を掲載。今号にも「900号記念特集号」の原稿募集要項が載っています。あと21号。月刊ですから、すぐですね。締め切りは来年の8月末。900号にかける意気込みを感じます。
●「照葉樹 二期」第22号(福岡市中央区)は小説4編と俳句、随筆、詩を掲載。藤代成美さん作「一族の終わり」は今号が最終話です。
●「北斗」九月號(名古屋市西区)は小説4編と短歌、詩、エッセイ、評論ほかを掲載。「編集後記」棚橋鏡代さん筆に6月19に開催された中部ペンクラブの総会と鼎談が報告されています。70余名の方がたが出席されたそうです。同人の寺田繁さんが著書『名古屋の栄さまと得月楼 父の遺稿から』で特別賞を受賞。おめでとうございます。当誌は来年700号に到達。「東京方面の誌友をお招きしての少し大きな例会を予定しています。」とのことです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●歴史小説アンソロジー「六伽士花史(むかしばなし)」第二号(大阪府枚方市)は6作品を掲載。「作者の言葉」福田さん筆に「さほど知られていないものの存在感のあった人物を見つけ、史料を調べて書くのが好き」とのこと。前号は武田信玄の五男仁科盛信、今号は次男龍宝です。甲府のお寺や佐久の神社などを訪れて取材されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「龍舌蘭」第206号(宮崎市清武町)は小説2編と詩、評論、随筆ほかを掲載。評論「『龍舌蘭』の旧作<昭和十六~七年>を読む(六)」岡林稔さん筆は戦前に掲載された3作品について論じられています。「職業作家でも新聞記者でもない、一同人の『戦記モノ』は果たしてどのような気持ちで綴られたものだったたか。」と記され、対象作品の作者である関屋邦広さんが兵士として出征した実体験により書かれたものです。
●「海峡派」第155号(北九州市八幡西区)は小説9編と詩、短歌、評論、エッセーを掲載。「編集後記」池田さん筆に、若手の同人が増えたことが報告されています。要因として「発行人が若く活動的であることと、諸々の文化事業で顔も広く、ブログがPRにもなっている。」そうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「敍説」Ⅲ-20(福岡市中央区)は特集「監獄」を組み、8編が並んでいます。ほかに批評5編を掲載。二沓よう子さんの「獄中で鳥を飼うということ-文学の磁場としての福岡刑務所」は読み応えありました。一時期、受刑者が刑務所内で小鳥を飼っていたそうです。十姉妹や文鳥など卵をかえして育てていた、と。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「星座盤」vol.16(大阪府摂津市)は小説5編と詩を掲載。毎年10月1日に規則正しく発行される同誌には、「あとがき」と題してメンバーそれぞれの言葉が記されています。みなさんの近況や思いを読んでいると、作品の作者を身近に感じます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●『幼なじみ』冬乃玄(脇山政男)さん著は著者3冊目の発行です。「筑紫山脈」(福岡市西区)に発表された6編を一冊にまとめられました。ひとりの男性の10歳から27歳までの恋物語と紹介されています。時は昭和37年の「鳥飼駅編」から始まり、懐かしい当時の写真も掲載されています。

2022年8月8日(月)
●「詩と眞實」No.878(熊本市南区)は小説2編と詩、日録を掲載。今号より新同人のご参加があったそうです。井上智重さん筆「残日読書日記」は第一回。O・ヘンリー『恋人たちのいる風景』にまつわる編集集者富永虔一郎さんの思い出が語られています。文中に「O・ヘンリーって、名人の落語みたいだと思いませんか。オチがよくて、安心して読めますから」との富永さんの言葉が引用されています。
●「AMAZON」No.514(神戸市西区)は小説3編と随想を掲載。蔦恭嗣さん作「石と水の女帝 宝皇女」は巻一「明日香」です。再婚で天皇家に嫁ぎ、天智・天武天皇の母であり、自らも天皇に即位した女性の物語です。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「さくさく」83(東京都台東区)は小説20編と詩、ノンフィクション、随筆を掲載。今号も盛りだくさんの354ページです。「文学市場」が発行している当誌を手にする度に、市場の賑わいを感じます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「まがね」第64号(岡山市中区)は小説7編と詩、随想、書評を掲載。また「特集随想」として「カラス」をテーマにした5作品が載っています。当文学会では9年振りに役員の大幅な交代があったそうです。新役員の方がた、これからもよろしくお願いします。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「播火」109号(兵庫県姫路市)は小説3編と詩、随筆、その他を掲載。特集「柳谷郁子 姫路市芸術文化大賞受賞」が組まれています。この賞は姫路市が文化の振興に寄与した個人や団体を表彰するもので、最高賞である大賞を受賞されました。柳谷さんは同誌の創始者でもあり、同人の方がたからメッセージが寄せられています。

2022年7月17日(日)
●「九州文學」通巻579号、2022年夏号(福岡県筑紫野市)は小説7編と掌編2編に加えて詩、随想、俳句、短歌ほかを掲載。会員の方2名の退会と3名の入会が報告されています。令和3年度「九州文学年度賞」の表彰式が4月に行われました。受賞作は韻文の部「七月の浜辺」柴田康弘さん作、散文の部「自殖録」城戸祐介さん作です。
●「岩漿」30号、25周年記念号(静岡県伊東市)は小説7編と詩、随筆、随想、エッセイを掲載。今号は「25周年・30号発刊記念号」です。作品数、寄稿者数ともにこれまでの最高となり、「読みごたえのある充実した記念号にふさわしいものになった」そうです。近年、入会者も少しずつ増えていることが報告されています。
●「北斗」7・8月合併號(名古屋市西区)は小説7編と短歌、詩、エッセイ、評論ほかを掲載。年10回発行の当誌は、うち2回が合併号です。江戸時代の閏(うるう)月を思い出しました。反対に数年に1回、1年が13ヶ月になりますが。「7月、閏7月、8月」みたにい。
●「西九州文学」第48号(長崎県大村市)は小説5編と詩、エッセーを掲載。昨年の長崎県文芸協会行事でおふたりの方が受賞されました。文芸大会・小説の部第1席は山本博さん「会いたくて」、第36回「長崎県文学賞」文芸協会賞は水島ひとみさんの随筆集「行って見て聴いたことを…伝えたい」です。添えられたお手紙に、当HPを見て遠方からの入会者もおられるとのこと。うれしいです。
●「日曜作家」第39号(大阪府茨木市)は小説1編と連載小説3編に加え詩、エッセイを掲載。今号より新しい同人おひとりが参加されました。「編集後記」(岡崎さん筆)によると、「今号の見どころはエッセイではないか」と思っておられるそうです。
●『小説集 うげ』棚橋鏡代著(風媒社)は「北斗」(名古屋市西区)と「中部ペン」(名古屋市千種区)に発表された5編が収められています。表題作の「うげ」は尾張地方で、魚を捕る竹で編んだ筒状の道具のことをいうのだそうです。語感に存在感があって印象的です。その土地で言い習わされてきた言葉の強さでしょうか。帯には「ささやかで忘れがたい人の世のものがたり。」と紹介されています。

2022年6月22日(水)
●「詩と眞實」6月号No.876(熊本市南区)は小説3編と詩、随筆を掲載。7月号No.877は小説1編と詩、随筆を掲載。6月号「編集後記」(今村さん筆)に戸川如風さんの訃報が記されています。本誌に連載された作品「遠野幻想/老人と夢」の高評価をいくつも目にしていましたので、驚きました。この号に掲載されている連載第6回(106枚)で完結し、遺稿となりました。
●「筑紫山脈」第42号(福岡市西区)は小説4編とエッセー等、詩に加えて伊藤征次郎さんの追悼を掲載。追悼は写真と掲載作品一覧、追悼文です。伊藤さんが会の中でみなさんとどのように過ごしてこられたかが読み取れる、暖かい追悼文が並んでいます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「総合文芸誌 ら・めえる」No.84(長崎市大浦町)は小説5編と童話、俳句、エッセイ、評論を掲載。編集後記に当サイトと「文芸同志会通信」で紹介されたことが書かれています。同人誌の応援と思ってやっていますが、励まされたようでうれしいです。今号で初めて投稿された方がおふたりおられます。うちおひとりの伊集院さんは昭和5年生まれの92歳とのこと。心強いです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「絵合せ」第2号(福岡市西区)は小説3編と巻頭言、詩、随筆を掲載。今年2月に創刊された同誌の2号です。今号の執筆者4名のうち、おふたりは新しいお名前です。これからが楽しみですね。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「八月の群れ」Vol.74(神戸市西区)は11作品を掲載。今号も11名の同人の方がた全員が投稿されています。「編集後記」(葉山ほずみさん筆)で初期メンバーである渡邉龍夫さんの訃報が報告されています。「病と闘いながらも毎号、すべての作品に目を通し、心が元気になる丁寧な批評をおくってくださった。」とあります。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「私人」第107号(東京都新宿区)・「海 第二期」第28号(福岡市中央区)は4作品に加えて、随筆を掲載。「編集後記」(芽生さん筆)に「作品数は少ないものの、大作もあり、読みごたえのあるものになっいます。」と紹介されています。
●海 第二期」第28(通巻95)号(福岡市中央区)は小説5編とエッセイ、詩、俳句、評論を掲載。新しいメンバーのご参加があったそうです。小詩論(井本元義さん筆)は「アルチュール・ランボー小論」です。
●「AMAZON」No.513(神戸市西区)は小説1編と小品4編に加えて詩、随筆を掲載。今号は小品が充実しています。お題は「風」です。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2022年5月25日(水)
●「季刊遠近」第79号(横浜市青葉区)は小説6編と連続小説1編のほかエッセイコラムを掲載。今回、紹介する同人誌は新会員加入の報告がいくつもあり、気持ちが軽くなりました。同人誌人口は微増なのでは、などとおめでたくも思っています。同誌も入会があり、早速、作品が送られて来たそうです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「海峡派」第154号(北九州市八幡西区)は小説8編と詩、短歌、評論、エッセーを掲載。おひとり方が同人参加されたそうです。毎号の表紙を飾っている土田恵子さんの作品を見ていると、どこか懐かしいような、何処にでもあるけれど何処にもないような、不思議な気持ちになります。毎号、じっくり鑑賞させてもらっています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「「播火」108号(兵庫県姫路市)は小説4編と詩、随筆、コラム、読者投稿ほかを掲載。4名の方の読者投稿は随筆と川柳です。「特別企画 国文学セミナー」は諸井学さんによる「『新古今集』以後の和歌文学」の講演記録です。
●「火山地帯」第203・204号(鹿児島県鹿屋市)。両号ともに9作品と詩を掲載。同誌は1958(昭和33)年に国立ハンセン病療養所星塚敬愛園で、「文学には差別がない、良いものさえ書けば社会が受け入れてくれる」との思いで故島比呂志さんらにより創刊されました。ハンセン病療養所では文学愛好者の方がたによって同人誌が作られましたが、唯一いまも発行されて同人誌です。最新号の表紙を紹介します。
●「AMAZON」No.512(神戸市西区)は小説5編を掲載。2007年から編集人を務められた東京の権野宏子さんがこの2022年3月号で卒業とのこと。同誌は関西に発行所を置き、関西と東京で活動されています。例会もそれぞれで行われ、誌上で例会内容が報告されています。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「あるかいど」第72号(滋賀県大津市)は小説7編とエッセイに加えて「高畠寛 追悼特集」を組んでいます。特集には13名の方がたが追悼文を寄せられています。高畠さんの年譜によると、高校時代に文芸部を再興し部長に。25歳で同人誌「舟唄」創刊。28歳のとき大阪文学学校入学。2年後にチューターに。45歳で「アルカイド」創刊。その後、表記を現在の「あるかいど」に変更した経緯なども語られています。
●「龍舌蘭」第205号(宮崎市清武町)は小説5編と詩、随筆、短信を掲載。ここ数年で最も多い作品が集まったそうで、分厚いできあがりです。新たに宮崎県延岡市と東京都在住の方おふたりのご参加があったそうです。
●「火山地帯」第205号(鹿児島県鹿屋市)は11作品と詩を掲載。作品は3分類されていますが、詩以外は分類が書かれていません。小説だろう、とか想像はつくのですが、そのまま数だけを紹介しています。「小説」や「創作」とか、「随筆」「随想」「エッセイ」「エッセー」など表記もそれぞれですし、自由な誌面作りも同人誌のよい点と思います。新同人の加入があったとのこと。「誌面が活発になってきて、主宰者として新たな刺戟も受けているところ」(立石富生さん筆)と報告されています。
●「時空」第53号(横浜市金沢区)は小説2編と評論、エッセイ、短歌、書誌を掲載。今年で創刊30年です。「編集雑記(42)」(菊田均さん筆)に「『同人雑誌評』と名乗りながら、批評がないことが多い。」とあり、「批判されるのを嫌う『時代の空気』があるとすれば、それ自体が『批評』の対象となってもよさそうだ。」と。確かに批判は言いにくいです。私の場合は自分に対する自信のなさなのですが、読んで批判したくなる作品はスルーしてしまいます。いつもそんなことでモヤモヤしてます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。

2022年4月22日(金)
●「樹宴」第22号(東京都葛飾区)は連載3編を含む小説11編と詩、エッセイを掲載。昨年あたりから会員数が増え、当然ながら掲載作品も増えて分厚くなりました。今回も20代と60代の女性おふたりが入会されました。当方のHPを見て問い合わせられたそうで、利用してくださる方の存在がうれしいです。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「てくる」Vol.30(滋賀県大津市)は小説7編と詩、俳句、「『てくる』に寄せて」を掲載。また30号記念として「声」をテーマに特集が組まれ、10作品が並んでいます。11号から29号までの総目次も掲載。装幀も一新され、友人のデザイナーの方に依頼された表紙が印象的です。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「日曜作家」第38号(大阪府茨木市)は小説1編と連載小説1編、詩、川柳、エッセイ、随想を掲載。当誌も年度替わりで表紙が新しくなりました。安野さん撮影の写真です。写真教室に通い始められたそうで、暗闇にくっきりと夜桜が浮かんでいます。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「南風」第51号(福岡市西区)は小説5編とエッセイを掲載。紺野夏子さん筆「編集後記」に三つの文字がある日本語について書かれています。近ごろカタカナ語が増えたことも。考えてみれば不思議です。おまけに縦、横、斜めにだって書けるのですから、こんな言語は他にないんじゃないでしょうか。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●「mon」Vol.19(大阪市阿倍野区)は6作品を掲載。内藤さんの神戸エルマール文学賞佳作受賞、キンさんの大阪女性文芸賞佳作受賞が報告されています。どちらも本誌掲載作品での応募です。おめでとうございます。他に太宰治賞の一次選考に3名の方が揃って通過されたそうです。「思わず声が出ました。揃っての通過はうれしいものですね。」と。外に向けてどんどん挑戦される姿勢に拍手を贈ります。
●「詩と眞實」5月号No.875(熊本市南区)は小説2編と詩、随筆を掲載。月刊の当誌「編集後記」(今村さん筆)には毎号、1ヶ月間の出来事が書き上げられています。今号は3月4日の冬季パラリンピック開会式に始まり、27日の若隆景の優勝までの17項目。ウクライナ情勢については詳しい記述があります。
●「星灯 SEITO」No.9(東京都調布市)は小説3編と掌編1編に加え評論3編を掲載。表紙中央に「突然ですが本号で休刊します。」の文字。創刊から8年たちました。北村さんが毎号、発表されていた「加藤周一論ノート」も「夕陽妄語」でひとまず完結です。またいつか復刊されますように。紹介ページを更新しましたので、ご確認ください。
●『水の檻』坂之上千代さん著は「豊中文学」、「文芸 百舌」、「ひまわり文集」に発表された11編と初出2編を収録。「旅」をテーマに2012年以降の作品がまとめられています。著者自らが訪ねられた土地での出会いや思いが感性ゆたかに綴られています。著者の長女、朋美さんが表紙とカットを担当。以下に表紙を紹介します。